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車両用信号が赤、歩行者用の押しボタン信号が青色だった場合の過失割合

2020-12-01

歩行者用信号が青、車両用信号が赤の場合の過失割合

基本の過失割合

歩行者用青信号の車両:車両用赤信号の車両=30%:70%

車両用の信号機と歩行者用の信号機が設置されている交差点とは

比較的交通量の少ない交差点では、交差する2つの道路の「片方」にしか車両用の信号機が設置されていない場所があります。

そういった交差点では、車両用の信号機は「原則として常に青」となっていて、交差する道路には「歩行者用の押しボタン式信号機」が設置されているケースが多数です。歩行者用の信号機が「青」に変わるタイミングのみ、いつもは青になっている車両用の信号機が「赤信号」に変わる仕組みです。

このような場所では、車両用信号機の色が「原則として青」なので、走行してくる車両は「きっと信号は青だろう」と信頼して、あまり注意しないままに交差点に進入しやすい傾向があります。すると、たまたま「歩行者用信号が青」になったとき、進入してきた交差道路の車両と接触して交通事故につながります。

歩行者用の信号機は車両を規制しない

歩行者用の信号は歩行者と自転車のみを規制するものであり、車両に対して指示する効力はありません。つまり歩行者用信号機があっても、交差道路には「信号機が設置されていない」のと同じ扱いとなります。交差道路の車両用信号がそれぞれ「赤:青」だったケースと同様に考えることはできません。(車両用信号が赤:青だった場合の過失割合は100%:0%となります)

基本の過失割合の考え方

歩行者用信号機が車両に規制を及ぼさないとしても、自車の進行方向の信号が赤になっており、交差道路から車両が出てきているにもかかわらず交差点へ進入したら、高い過失が認められるでしょう。そこで基本の過失割合として、歩行者用青信号車両の過失割合が30%、車両用赤信号車両の過失割合が70%となります。

歩行者用青信号の車両に過失があった場合は?

歩行者信号が青車両信号が赤の場合の修正要素

なんで上がるか不思議ですね

過失割合で迷ったときには弁護士にご相談ください。

交通事故の過失割合のルールは、事故現場や具体的状況によって大きく異なります。
本件のように一方には歩行者用信号機しかない場合、基本の過失割合だけではなく修正要素の考え方も複雑になります。
ご自身では適切な割合を算定できない場合も多いでしょう。
示談交渉の際に保険会社から過失割合を提示され、受諾して良いかどうか迷っているなら弁護士までご相談ください。
事故の状況を詳しくお伺いして法的な基準により、正しい過失割合を算定させていただきます。

信号機のない交差点における交通事故の過失割合

2020-11-30

信号機が設置されていない交差点で交通事故が発生した場合、お互いの道路幅や一時停止規制の有無などの諸事情により、過失割合が変わってきます。

以下でパターンごとの基本の過失割合と修正要素について、弁護士が解説します。

道路幅が同程度の場合

 

道路幅が同程度の過失割合 道路幅がお互い同程度で、一方通行違反も一時停止規制もなく、優先道路関係もないケースです。

基本の過失割合

 

 

左側車両

右側車両

同程度の速度

40%

60%

右側車両のみ減速

50%

50%

左側車両のみ減速

20%

80%

 

道路交通法では、交差点において「左側車両優先の原則」が採用されています。つまり交差点上に複数の車両が進入するとき、右側車両は左側車両の進行を妨害してはなりません(道路交通法36条1項1号)。

お互いの道路幅が同程度の場合、左側車両が優先されるので、右側車両の過失割合が高くなります。基本の過失割合は左側車両が40%、右側車両が60%とされます。

一方で、どちらかが減速すると状況が変わってきます。道路交通法は、交差点を通過しようとする車両へ徐行義務を定めているからです(道路交通法42条1号)。そこで一方車両が徐行し他方が徐行しない場合には、徐行しなかった車の過失割合が高くなります。

右側車両のみが徐行するとお互いの過失割合が50%ずつとなり、左側車両のみが徐行した場合の過失割合は左側車両が20%、右側車両が80%とされます。

夜間や見通しの良い交差点では?

基本の過失割合は、事故の状況ごとのさまざまな事情によって修正されます。

同程度の幅の道路が交差する交差点上(信号機なし)の事故の修正要素は以下のとおりです。

道路幅が同程度の交差点での修正要素

片方に一方通行違反があった場合

 

片方に一方通行違反があった場合の過失割合

基本の過失割合

違反のない車両:一方通行違反車両=20%:80%

片方に一方通行義務違反があった場合、違反していなかった車両の過失割合が20%、違反した車両の過失割合が80%となります。

どちらかに一方通行義務違反がある場合、明らかに法令に違反する行為をしているので過失割合が高くなります。ただし一方通行義務違反はなくても、見通しのきかない交差点へ進入する場合には道路交通法上の徐行義務が課されます。また前方を注視して安全を確認すべき義務もあるでしょう。そこで一方通行違反のない車両にも一定の過失割合が認められるといえます。

結果として違反していない車両に20%、一方通行義務違反車両に80%の過失割合が振り分けられます。

夜間や著しい過失がある場合は

片方に一方通行違反があった交通事故過失割合の修正要素は以下のとおりです。

 

片方に一方通行違反がある場合の修正要素

一方が明らかに広い道路の場合

 

一方が明らかに広い道路の場合の過失割合

 

基本の過失割合

 

 

広路車

狭路車

同程度の速度

30%

70%

狭路車のみ減速

40%

60%

広路車のみ減速

20%

80%

 

一方が明らかに広い道路の場合、同程度の速度であれば広路車が優先されます。よって広路車の過失割合が30%、狭路車の過失割合が70%となります。

狭路車のみ減速した場合、狭路車は道路交通法上の徐行義務(道路交通法42条1項1号)を守ったことになりますが広路車は守っていません。そこで広路車の過失割合が上がり40%となります。狭路車の過失割合は60%です。

広路車のみ減速した場合には、広路車の過失割合が下がり20%となります。狭路車の過失割合は80%まで上がります。

狭路車が明らかに先に入っていた場合は?

一報が明らかに広い道路の場合の修正要素

片方に一時停止規制があった場合

 

片方に一時停止規制があった場合の過失割合

基本の過失割合

 

 

一時停止規制なし

一時停止規制あり

速度が同程度

20%

80%

規制なしの車両のみ減速

30%

70%

規制ありの車両のみ減速

10%

90%

一時停止してから進入

40%

60%

 

片方に一時停止規制があった場合の過失割合は、お互いの車両の速度によって異なります。

同程度の速度のケース

同程度の速度の場合、一時停止規制のある車両に高い過失割合が認められます。一時停止規制がある場合、停止を指示された車両は交差道路を通行する車両を妨害してはならないルールになっているためです(道路交通法43条)。基本の過失割合は、一時停止規制のない車両が20%、規制のある車両が80%とされます。

 

一時停止規制なしの車両のみ減速したケース

一方の車両が減速すると、減速した車両の過失割合が下がります。一時停止規制なしの車両のみ減速した場合、規制なしの車両の過失割合が30%となり規制ありの車両の過失割合が70%まで上がります。

時停止規制ありの車両のみ減速したケース

反対に一時停止規制なしの車両のみ減速した場合、規制なしの車両の過失割合は10%まで下がり、規制ありの車両の過失割合は90%となります。

 

一時停止規制ありの車両が一旦停止した場合

一時停止規制ありの車両がきちんと一時停止してから進入した場合には、注意義務を果たしたといいやすいので過失割合が下がります。一方で、相手が一時停止しているにもかかわらず注意を払わずに交差点に進入した規制なしの車両には、高い過失が認められるでしょう。規制ありの車両の過失割合が60%、規制なしの車両の過失割合が40%となります。

一時停止規制がある場合の過失割合修正要素は以下のとおりです。

 

一時停止規制があった場合の修正要素

優先道路と非優先道路の場合

優先車と非優先車の接触事故における過失割合

基本の過失割合

優先道路車:非優先道路車=10%:90%

優先道路とは以下のような道路です。

  • 道路標識によって「優先道路」として指定されている道路
  • 交差点において、中央線や車両通行帯がもうけられている道路

 

優先道路の車両は、非優先道路の車両よりも優先して交差点を通行できます。そこで優先車と非優先車が接触した場合には優先車の過失割合が低くなり、優先車の過失割合が10%、非優先車の過失割合が90%となります。

非優先車が交差点に明らかに先に入っていた場合は?

優先車と非優先車が接触した交通事故の過失割合修正要素は以下のとおりです。

 

優先車と非優先車の修正要素

 


過失割合について疑問があるなら、弁護士へ相談を

交通事故で賠償金(示談金)を計算するときには、被害者と加害者の過失割合が極めて重要です。被害者の過失割合を高くされると賠償金を大きく減額されてしまうからです。被害者がご自身で保険会社と示談交渉をすると、保険会社から高い過失割合を割り当てられるケースが多いので注意しましょう。 保険会社は上記で紹介した適切な過失割合をあてはめず、被害者に高めの過失割合を割り当てることも少なくありません。そのまま示談すると損をしてしまいます。 過失割合の判断に迷われたときには、弁護士に相談しましょう。弁護士であれば事故の詳細な状況を伺って、適切な過失割合を算定できます。弁護士が示談交渉を代行すれば、正しい過失割合をあてはめて賠償金を大きく増額できる可能性が高まります。横浜で交通事故に遭われた方は、お気軽に横浜クレヨン法律事務所までご相談ください。

「交差点における直進車同士の出会い頭事故(信号機あり)」の過失割合

2020-11-24

交差点上では、交通事故が非常に発生しやすい傾向があります。 「信号機のある交差点」で、「直進車同士」が接触してしまった交通事故では、お互いがどのくらいの過失割合になるのでしょうか?

信号機の色ごとに、基本の過失割合と修正要素を加味した割合を弁護士が解説します。

 

1.青信号車と赤信号車の接触事故

青信号と赤信号の接触事故

 

1-1  基本の過失割合

青信号車:赤信号車=0%:100%

青信号車と赤信号車が接触した場合、青信号車の過失割合が0%、赤信号車の過失割合が100%となります。
道路交通法は、「歩行者や車両は信号機の指示に従わねばならない」と規定しています(7条)。
そこで、信号機の指示を守らず赤信号で交差点に進入した赤信号車には大きな過失が認められます。
青信号車は信号機による指示を守っており違反がないので、過失割合が認められません。
よって青信号車の過失割合は0%、赤信号車の過失割合が100%となります。

 

1-2  事故の個別事情に応じて修正される可能性

基本の過失割合は、事故の個別事情に応じて修正される可能性があります。過失割合に影響を与える事情を「修正要素」といいます。

赤信号車と青信号車の接触事故における修正要素として、以下のようなものがあります。

四輪車同士の自動車事故 過失割合 青信号と赤信号の修正要素

2.黄信号車と赤信号車の接触事故

黄信号車と赤信号車の接触事故

 

2-1.基本の過失割合

黄信号車:赤信号車=20%:80%

黄信号車と赤信号車が接触した場合の基本の過失割合は、黄信号車が20%、赤信号車が80%となります。
道路交通法は、黄信号の場合には原則として「停止位置を超えて進行してはならない」と規定しています。
黄信号でも交差点に進入しても良いのは、急に停止すると危険が発生する場合のみです。
このように、道路交通法は「黄信号でも原則として停止しなければならない」と規定しているので、黄信号で直進した車にも過失割合が認められます。
ただ相手が赤信号であれば、赤信号車の過失割合の方が大きくなるでしょう。
そこで基本の過失割合としては、黄信号車が20%、赤信号車が80%となります。

 

2-2.黄信号車にスマホのながら運転、前方不注視があったら?

黄信号車と赤信号車の接触事故にも個別事情にもとづく修正要素が適用されます。

黄信号車と赤信号車の接触事故の修正要素

3.赤信号車同士の接触事故

赤信号車の接触事故

3-1  基本の過失割合

赤信号車:赤信号車=50%:50%

信号機のある交差点で直進する赤信号車同士が接触した場合、お互いの過失割合は50%ずつとなります。
道路交通法上、車両は信号機による指示に従わねばならない絶対的な義務を負います(道路交通法7条)。
前方の信号機の色が赤であるにもかかわらず直進すると、明らかな道路交通法違反となるので大きな過失割合が認められます。 ただし双方とも赤信号の場合、双方に同様の過失があるといえるでしょう。
どちらにも優劣を付けられないので、お互いの過失割合が50%ずつになります。

 

3-2  赤信号同士の交通事故でも加算されることがあります

赤信号車同士の接触事故 修正要素


交通事故の過失割合に疑問があれば弁護士に相談を

交通事故の示談交渉時には、被害者と加害者とで過失割合についての意見が合わず、トラブルになる事例が多々あります。被害者が自分で示談交渉に対応すると、保険会社側から過大な過失割合をあてはめられてしまうケースも少なくありません。
修正要素を適用すべきケースで適用せず、被害者の過失割合が高めにされる事例も多いので、注意が必要です。
過失割合に納得できない場合には、示談してしまう前に弁護士に相談しましょう。
弁護士が適切な割合を算定し、保険会社と示談交渉を進めて被害者の権利を守ります。
横浜で交通事故に遭い、過失割合について疑問のある方は、お早めに横浜クレヨン法律事務所までご相談ください。

名寄市の事故の過失割合

2020-07-10

7月8日に、北海道の名寄市でトラックと乗用車の衝突事故があったようです。
ヤフーニュースによると、旭川方向に走行していたトラックが、反対車線に飛び出し、乗用車と衝突してしまったとのこと(7月8日時点のニュースの情報を前提としています)。

交通事故で怪我をされてしまった方は、その後、加害者や保険会社に損害賠償請求を行う事になりますが、その時に問題となることが多いのが「過失割合」です。

今回は、7月8日のトラック事故をもとに、過失割合のお話をします。

まず、過失割合とは簡単にいうと、事故の責任をどういう風に分担するかという割合のことです。

事故の態様には様々な態様があり、加害者が一方的に悪い事故もあれば、被害者に落ち度のある事故もあります。そういった、加害者の落ち度の程度によって、損害賠償額から差し引くことを過失相殺といいます。どの程度の差し引くか、という割合のことを過失割合といいます。

では、今回のように、反対車線に飛び出して(センターラインオーバーして)、対向車と衝突してしまった場合は、過失割合はいくつになるのでしょうか?

答えは、原則として、10対0で加害者が悪くなります(全てのセンターラインオーバーで必ず10対0になるわけではありません。)。

この割合は、道路交通法や過去の判例の蓄積から導き出されるもので、多くの事故では定型的に過失割合が算出されることがほとんどです。そして、その根本にある考え方が、「被害者側が避けることができたかどうか」という考え方です。

例えば、赤信号で停車中の被害者の車に、加害者の車が後ろから追突した場合、被害者の車は避けようがありませんので、過失割合は10対0になります。

今回の事故のように、センターラインをオーバーした場合はどうでしょうか。

道路交通法では、車は、道の真ん中(又はセンターライン)から左側の部分を走行する義務があり、基本的に、道路の左側に寄って走行しないといけません(道路交通法18条1項)

この義務は、極めて車を運転する者にとって極めて基本的な義務なので、反対車線を走行してる人は、対向車がまさかそんな義務に違反するなど思わないのが通常です。ですので、基本的には10対0の過失割合になるんですね。

もっとも、

1左側通行ができないとき

2被害者が前方不注意をしていた場合 

3加害者が前の車を追い越すためにセンターラインをオーバーしており、被害者側に速度違反がある場合

などは、センターラインオーバーであっても被害者側に過失割合が生じます。過失割合は、事故で発生した損害を、公平に分担する考え方なので、「センターラインオーバーであれば10対0」という単純なものではないんですね。

本日は、過失割合について取り上げました。

ご自身の過失割合に納得が行かない方、交通事故に詳しい弁護士であれば、加害者や保険会社との交渉において、納得のいく過失割合を主張することができますので、ぜひ一度相談することをお勧めします。

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