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右左折車と後続する直進車との交通事故における過失割合

2020-12-16

追い越し際に交通事故が発生したら、追い越し車と追い越される車の過失割合はそれぞれどのくらいになるのでしょうか?

現場が追い越し禁止場所なのか、右左折する車が道路交通のルールを守っていたかなどの諸事情により、過失割合は変わってきます。

今回は「交差点において右左折車と後ろから走行してきた直進車が追い越し際に接触した交通事故」の過失割合を解説します。

追い越し禁止場所において、直進車が道路中央を越えて追い越そうとした場合

追い越し禁止場所において、直進車が道路中央を越えて追い越そうとした場合の過失割合

 

基本の過失割合

追い越し直進車:追い越される右左折車=90%:10%

 

(道路交通法30条3号)によると、交差点の手前30メートルの地点から交差点までの間では基本的に追い越しが禁止されます。それにもかかわらず、中央線をはみ出して追い越そうとした直進車には、高い過失が認められます。

一方で、進路変更によって後続車の速度や進行方法に急な変更を強いる危険がある場合、前方車両は進路変更してはなりません(道路交通法26条の2第2項)。それにもかかわらず進路変更した前方車両にも一定の過失が認められるでしょう。

 

そこでこのケースの基本の過失割合は後方の直進車の過失割合が90%となり、前方の右折車の過失割合が10%となります。

 

基本の過失割合は以下のような事情によって修正されます。

  • 直進車の著しい速度違反

直進車が時速20キロメートルを超過するような著しい速度違反をしていれば10%程度、過失割合が加算されます。

  • 直進車の著しい過失

直進車に著しく不適切なハンドル・ブレーキ操作、スマホをみながらの運転、著しい前方不注視などの「著しい過失」があれば、5%過失割合が加算されます。

  • 直進車の重過失

直進車に居眠り運転、無免許運転、酒酔い運転などの重過失があれば10%程度、過失割合が足されます。

 

  • 右折車があらかじめ道路中央に寄らず右折

右折車は、あらかじめ道路中央に寄って中心に近い場所を右折しなければなりません(道路交通法34条2項)。それにもかかわらず道路中央に寄らないで右折すると高い危険を発生させてしまいます。そこで右折車に過失割合が10~20%加算されます。

  • 右折車の著しい過失

右折車に著しい過失があれば右折車に10%、過失割合が加算されます。

  • 右折車の重過失

右折車に重過失があれば右折車に10%、過失割合が足されます。

 

【言葉の意味】

著しい過失

著しい速度違反、著しい前方不注視、酒気帯び運転、著しく不適切なハンドル・ブレーキ操作など、「通常想定されている以上に高い過失」を意味します。

重過失

酒酔い運転、無免許運転、居眠り運転など、「故意とも同視できるような危険で重大な過失」をいいます。

 

著しい過失や重過失については次項以降でも登場するので、押さえておきましょう。

 

追い越しが禁止されていない場所で、直進車が道路中央を越えて追い越そうとした場合

追い越しが禁止されていない場所で、直進車が道路中央を越えて追い越そうとした場合の過失割合

 

基本の過失割合

追い越し直進車:追い越される右折車=50%:50%

 

道路交通法によると、基本的に交差点の直近における追い越しは禁止されますが、優先道路については例外とされています。優先道路であれば、交差点内であっても追い越しをしてもかまいません(道路交通法30条3号)。

 

ただ道路中央を越えて無理に前方車両を追い越そうとした点においては、追い越し車両にも過失があるといえます。一方で追い越し車に進路を譲らなかった右折車にも一定の過失が認められるので、こういった状況の交通事故ではそれぞれの過失割合が50%ずつとされるのが基本です。

 

  • 直進車の著しい速度違反

直進車がおおむね時速20キロメートルを超える速度違反をしていれば、直進車に10%程度の過失割合が加算されます。

  • 直進車の著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車の重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が合図をしなかった…右折車に10%加算
  • 右折車の著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車の重過失…右折車に20%加算

 

 

右折車があらかじめ道路中央に寄らずに右折しようとした場合

右折車があらかじめ道路中央に寄らずに右折しようとした場合の過失割合

基本の過失割合

右折車:追い越し直進車=80%:20%

 

交差点で右折する場合、右折車はあらかじめできる限り道路中央に寄り、交差点の中心直近の内側を徐行して右折しなければなりません(道路交通法34条2項)。

それにもかかわらず右折車があらかじめ道路中央に寄らなかった場合、右折車には高い過失が認められます。

 

一方で、前方に充分な注意を払わなかった直進車にも一定の過失割合が認められるので、基本の過失割合としては右折車の過失割合が80%、直進車の過失割合が20%となります。

 

  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車の著しい前方不注視、著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車の重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車の合図が遅れた…右折車に5%加算
  • 右折車が合図をしなかった…右折車に15%加算
  • 右折車が直進車の直近で右折した…右折車に10%加算
  • 右折車の著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車の重過失…右折車に20%加算

 

 

左折車があらかじめ道路左端に寄らずに左折しようとした場合

左折車があらかじめ道路左端に寄らずに左折しようとした場合の過失割合

 

基本の過失割合

左折車:追い越し直進車=80%:20%

 

交差点で左折する際、左折車はあらかじめできる限り道路の左端により、かつ左側に沿って徐行しなければなりません(道路交通法34条1項)。それにもかかわらず道路左側に寄らず突然左折すると、後方から来た直進車には予想がつかないので高い危険を発生させてしまうでしょう。左折車に高い過失が認められます。

一方で前方に充分注意を払っていなかった直進車にも多少の過失が認められるので、左折車の過失割合が80%、直進車の過失割合が20%となります。

 

  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車の著しい前方不注視、著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車の重過失…直進車に20%加算

 

  • 左折車が徐行しなかった…左折車に10%加算
  • 左折車の合図が遅れた…左折車に5%加算
  • 左折車が合図をしなかった…左折車に15%加算
  • 左折車が直進車の直近で右折した…左折車に10%加算
  • 左折車の著しい過失…左折車に10%加算
  • 左折車の重過失…左折車に20%加算

 

 

右折車があらかじめ道路中央に寄れない状況

右折車があらかじめ道路中央に寄れない場合の過失割合

基本の過失割合

右折車:追い越し直進車=60%:40%

 

交差点で右折する場合、右折車は可能な限り、あらかじめ道路の中央によって中心に近い場所を徐行して右折しなければなりません(道路交通法34条2項)。

しかし右折して進入する先の交差道路が狭い場合や進入先の道路が鋭角になっている場合など、あらかじめ道路中央に寄るのが難しいケースも考えられます。そういった場合、右折車があらかじめ道路中央に寄っていなかったとしても高い過失は認められません。

 

ただし右折する以上は後方の安全確認を充分に行うべきです。後方車両が直進してきているのに気づかず無理に右折した点で、右折車には一定の過失割合が認められるでしょう。

 

一方で前方を充分に注視していなかった直進車にも過失が認められるので、基本の過失割合としては右折車の過失割合が60%、後方の直進車の過失割合が40%となります。

 

  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車が著しい前方不注視または著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車の合図が遅れた…右折車に10%加算
  • 右折車が合図を出さなかった…右折車に20%加算
  • 右折車が直進車の直近で右折した…右折車に20%加算
  • 右折車の著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車の重過失…右折車に20%加算

 

左折車があらかじめ道路左端に寄れない状況

左折車があらかじめ道路左端に寄れない場合の過失割合

 

基本の過失割合

左折車:追い越し直進車=60%:40%

 

交差点で左折するとき、左折車は可能な限り、あらかじめ道路の左端に寄って徐行しながら左側に沿って左折しなければなりません(道路交通法34条1項)。ただ、道路状況によってはあらかじめ左に寄るのが難しいケースも考えられます。たとえば図のように進行方向の道路が鋭角になっていて細い場合などです。道路交通法34条1項は努力義務なので、どうしても左側に寄るのが難しい場合には、左折車が無理に左側に寄っていなくても高い過失は認められません。

とはいえ後方の安全に十分注意を払わなかった点で、左折車には一定の過失があるといえるでしょう。

 

一方で、前方車両の動きに気づかなかった後方の直進車にも、過失があります。そこで基本の過失割合としては、左折車の過失割合が60%、後方の直進車の過失割合が40%となります。

 

  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車が著しい前方不注視または著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

  • 左折車が徐行しなかった…左折車に10%加算
  • 左折車の合図が遅れた…左折車に10%加算
  • 左折車が合図を出さなかった…左折車に20%加算
  • 左折車が直進車の直近で右折した…左折車に20%加算
  • 左折車の著しい過失…左折車に10%加算
  • 左折車の重過失…左折車に20%加算

 

過失割合に納得できない場合、弁護士にご相談を

交通事故では、「自分の過失割合をどの程度にされるのか」が非常に重要です。被害者側の過失割合を高くされると、「過失相殺」によって相手に請求できる賠償金を減額されてしまうためです。

 

示談交渉の際、保険会社が提示する過失割合は必ずしも適正とは限りません。弁護士が示談交渉を行って修正要素を正しく適用すると、被害者側の過失割合が大きく下がるケースも多々あります。すると示談金が大幅にアップするので、被害者の方は大きなメリットを得られるでしょう。

事故の相手の主張内容に納得できないなら、無理に妥協する必要はありません。適正な過失割合をあてはめて充分な賠償金を獲得するため、まずは一度弁護士までご相談ください。

信号機のない交差点における「右折車同士」の交通事故の過失割合

2020-12-16

信号機のない交差点では、交通整理が不十分となって交通事故が起こりやすい傾向があります。右折車同士が接触した場合、お互いの過失割合がどのくらいになるのかパターン別にみていきましょう。

道路幅が同程度の場合

信号機のない交差点における「右折車同士」の交通事故の過失割合

基本の過失割合

信号機のない交差点で道路幅が同程度の場合の右折車同士の交通事故における基本の過失割合は、左方車:右方車=40:60になります。

道路交通法によると、交差点においては基本的に「左方車」が優先されます(道路交通法36条1項1号)。そこで両方とも右折する場合、左方から進行してきた車両が優先されて過失割合が低くなります。結果として左方車の過失割合が40%、右方車の過失割合が60とされます。

基本の過失割合は、以下のような要素によって修正される可能性があります。

  • 左方車が右折方法違反…左方車に10%加算
  • 左折車が右折禁止違反…左方車に10%加算
  • 左方車に著しい過失…左方車に10%加算
  • 左方車に重過失…左方車に20%加算

 

  • 右方車に右折方法違反…右方車に10%加算
  • 右方車に右折禁止違反…右方車に10%加算
  • 右方車に著しい過失…右方車に10%加算
  • 右方車に重過失…右方車に20%加算

 

右折方法違反とは

右折方法違反とは、道路交通法に定められる右折方法を守らないで右折することです。

道路交通法34条2項によると、車両が右折するときには、「あらかじめできる限り道路の中央に寄り、交差点の中心の直近の内側を徐行しなければならない」とされています。それにもかかわらず徐行や減速をしなかった場合には、交通違反によって危険を発生させたといえるでしょう。左方車が「合図をせずに右折した場合」や「早回り右折」した場合も右折方法違反となります。右方車であれば徐行しなかった場合、合図をしなかった場合、大回り右折をした場合などに右折方法違反となります。

右折禁止違反とは

右折禁止違反とは、右折禁止場所で右折することです。いうまでもなく、右折禁止場所では右折をしてはなりません。それにもかかわらず右折した車両に高い過失が認められるので、過失割合が加算されます。

著しい過失とは

著しい過失とは、通常想定される過失を超える不注意をいいます。例を挙げると時速15キロメートルを超えるスピード違反、著しい前方不注視、酒気帯び運転、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切、スマホやカーナビ、テレビを見ながらの運転などが該当します。

重過失とは

重過失とは、故意とも同視できるような重大な過失です。たとえば酒酔い運転、無免許運転、時速30キロメートルを超えるスピード違反、居眠り運転などが重過失とされるケースが多数です。

一方の道路幅が明らかに広い場合

一方の道路幅が明らかに広い場合の過失割合

基本の過失割合

右折車同士の交通事故で一方の道路が明らかに広い場合、基本の過失割合は狭路車:広路車=70:30となります。

道路交通法上、狭路を走行して交差点へ入る車(狭路車)は、広路を走行してきた車(広路車)へ道を譲らねばなりません(道路交通法36条2項)。それにもかかわらず不注意に交差点へ進入して広路車に接触した以上、狭路車の過失割合は広路車より高くなるといえるでしょう。そこで基本の過失割合としては、広路車が70%、狭路車が30%とされます。

またこの類型の場合、「右方か左方か」という区別ではなく「狭路」か「広路」かによって過失割合が判断されるので注意しましょう。左方車であっても狭路であれば過失割合は70%とされますし、広路であれば30%になります。

広路車と狭路車が接触した場合、以下のような事情によって過失割合が修正される可能性があります。

  • 狭路車が右折方法違反…狭路車に10%加算
  • 狭路車が右折禁止違反…狭路車に10%加算
  • 狭路車に著しい過失…狭路車に10%加算
  • 狭路車に重過失…狭路車に20%加算

 

  • 広路車に右折方法違反…広路車に10%加算
  • 広路車に右折禁止違反…広路車に10%加算
  • 広路車に著しい過失…広路車に10%加算
  • 広路車に重過失…広路車に20%加算

一方に一時停止規制がある場合

一方に一時停止規制がある場合の過失割合

基本の過失割合

一方に一時停止規制がある場所で右折車同士の接触事故が発生した場合、基本の過失割合は一時停止義務のある車両:一時停止義務のない車両=75:25となります。

これは、一方に「一時停止義務があるにもかかわらず一時停止せずに交差点に進入した場合」の過失割合です。きちんと一時停止した場合には過失割合の「修正要素」として考慮されます。

道路交通法上、交差点において一時停止義務がある車両は、交差点前でいったん停止して周囲の安全を確かめねばなりません。交差点へ進入した後も、交差道路を進行する車両を妨害してはならないとされます(道路交通法43条)。

それにもかかわらず一時停止義務を守らず、漫然と進行して事故を起こした一時停止義務のある車両には高い過失割合が認められるでしょう。以上より一時停止義務のある車両には基本的に75%の過失割合が認められ、一時停止義務のない車両の過失割合は25%となります。

なおこの類型の交通事故では、右方か左方かは関係ありません。右方であっても左方であっても一時停止義務があれば高い過失割合が認められ、なければ過失割合は低くなります。

一時停止義務のある車両とない車両(右折車同士)が接触した事故の修正要素は、以下の通りです。

  • 一時停止義務のある車両が右折方法違反…一時停止義務のある車両に10%加算
  • 一時停止義務のある車両が右折禁止違反…一時停止義務のある車両に10%加算
  • 一時停止義務のある車両に著しい過失…一時停止義務のある車両に10%加算
  • 一時停止義務のある車両に重過失…一時停止義務のある車両に20%加算
  • 一時停止義務のある車両が一時停止してから進入…一時停止義務のない車両に15%加算

 

  • 一時停止義務のない車両に右折方法違反…一時停止義務のない車両に10%加算
  • 一時停止義務のない車両に右折禁止違反…一時停止義務のない車両に10%加算
  • 一時停止義務のない車両に著しい過失…一時停止義務のない車両に10%加算
  • 一時停止義務のない車両に重過失…一時停止義務のない車両に20%加算

一方が優先道路の場合

一方が優先道路の場合の過失割合

基本の過失割合

交差する道路の一方が優先道路だった場合の右折車同士の事故では、基本の過失割合は優先道路車:非優先道路車=20:80となります。

交差点で2つの車両が交差して進行するとき、一方が優先道路を走行しているなら他方(非優先道路車)は優先道路車の進行を妨害してはなりません(道路交通法36条2項)。それにもかかわらず漫然と交差点に進入して事故を起こした以上、基本的には非優先道路車の過失割合が高くなります。結果として優先道路車の基本の過失割合は20%、非優先道路車の過失割合は80%とされます。

なおこの類型の交通事故における過失割合は右方であっても左方であっても関係なく、優先道路車か非優先道路車かによって決まります。右方でも優先道路車であれば過失割合が低くなると考えましょう。

一方が優先道路の場合の交通事故にも、過失割合の修正要素が適用されます。

  • 非優先道路車が右折方法違反…非優先道路車に10%加算
  • 非優先道路車が右折禁止違反…非優先道路車に10%加算
  • 非優先道路車に著しい過失…非優先道路車に10%加算
  • 非優先道路車に重過失…非優先道路車に20%加算

 

  • 優先道路車に右折方法違反…優先道路車に10%加算
  • 優先道路車に右折禁止違反…優先道路車に10%加算
  • 優先道路車に著しい過失…優先道路車に10%加算
  • 優先道路車に重過失…優先道路車に20%加算

過失割合に納得できない場合、弁護士にご相談を

交通事故が発生したら、示談交渉の際にお互いの過失割合を決めなければなりません。

被害者側の過失割合を過大にされてしまうと、加害者に請求できる賠償金を大きく減額されてしまうので注意してください。交通事故の賠償金は、過失相殺によって割合的に減額されてしまうためです。

ところが現実には保険会社が被害者に高めの過失割合を提示してきて、被害者がそのまま受諾してしまうケースが少なくありません。被害者が適正な金額の賠償金を獲得するには、正しい法的知識が必要となるでしょう。

ただでさえ信号機が設置されていない交差点で事故が起こると、お互いの過失割合を決めにくく、争いになりやすい傾向があります。基本の過失割合が必ずしも相当とは限らず、修正要素の適用によって大きく過失割合を変更すべきケースも少なくありません。保険会社の主張に疑問のある方は、一度弁護士までご相談ください。

信号機のない交差点で左折車と対向右折車の交通事故における過失割合

2020-12-14

信号機のない交差点では、交通事故が頻繁に発生します。

 

以下では、信号機のない交差点において、左折車と対向車線から走行してきた右折車が接触した交通事故における過失割合について、解説します。

 

信号機のない交差点で左折車と対向右折車の交通事故における過失割合

 

基本の過失割合

左折車:右折車=30%:70%

 

道路上で右左折する場合、車は交差点の手前30メートルの地点から合図を出さねばなりません(道路交通法53上1項、2項、令21条)。

また右折車の場合、あらかじめ道路の中央に寄って交差点の中心の直近の内側を徐行する必要があります。左折車の場合にはあらかじめ道路の左側に寄り、徐行しなければなりません(道路交通法34条1項、2項)。

 

こういった原則に加え、右折車の場合には交差点で左折する車両を妨害してはならない、と規定されており(道路交通法37条)、「左折車優先の原則」が定められています。

 

このように、交差点で右折車と左折車が接近する場合には基本的に左折車が優先されるため、接触事故が起こると右折車の過失割合が高めになります。

そこで基本の過失割合としては、左折車が30%、右折車が70%とされます。

基本の過失割合は、事故における個別事情によって修正されます。

修正要素は以下の通りです。

 

左折車の過失割合を加算する修正要素

左折車が徐行しなかった

道路交通法上、左折車は交差点にて徐行すべき義務を負います。徐行しなかった場合、10%過失割合が加算されます。

左折車が左折方法違反をした

左折車はなるべく道路の左端に寄って左折しなければならないので、2車線道路で左折する場合、左折車は道路端(左側)寄りの「第1車線」へ入る必要があります。それにもかかわらず左折車が道路中央寄りの第2車線へ進入した場合、危険を発生させるので左折車の過失割合が10~20%、加算されます。

右折車が既に右折していた

右折車が既に右折していたにもかかわらず左折車が無理に交差点へ入ったら高い危険が発生するので、左折車の過失割合が10%加算されます。

左折車に著しい過失

左折車に時速15キロメートル以上のスピード違反、酒気帯び運転、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切などの「著しい過失」があると、左折車の過失割合が10%加算されます。

左折車に重過失

左折車に無免許運転、居眠り運転、酒酔い運転など「重過失」がある場合には、左折車に20%過失割合が加算されます。

 

右折車の過失割合を加算する修正要素

右折車が徐行しなかった

右折車は交差点へ進入するとき、徐行しなければなりません。徐行しなければ危険が高まるので、過失割合が10%加算されます。

右折車が大回り右折をした

右折車が大回り右折をすると対向する左折車との接触の危険が高まるので、過失割合が10%加算されます。

2車線道路において、右折車が第1車線へ進入した

2車線道路で右折車と左折車が同時に交差点に入るときには、危険を避けるため、左折車は道路左側の第1車線、右折車は道路中央よりの第2車線へ入るべきです。

それにもかかわらず右折車が道路左側の第1車線へ入ると高い危険を発生させてしまうでしょう。そこで右折車の過失割合が10%、加算されます。

右折車が合図をしなかった

右折車が合図を出さないと左折車にとっては右折するのか直進するのかがわかりません。高い危険を発生させるので、右折車の過失割合が10%加算されます。

右折車に著しい過失

右折車に酒気帯び運転、スマホやカーナビを見ながらの運転、著しい脇見運転や前方不注視などの著しい過失があれば、右折車の過失割合が10%加算されます。

右折車に重過失

右折車に酒酔い運転、無免許運転、居眠り運転などの重過失があると、右折車に20%過失割合が加算されます。

 

過失割合について疑問があれば弁護士へ相談を

交通事故が発生すると、多くのケースで保険会社が「過失割合」を決めて被害者へ提示してきます。被害者が納得してそのまま示談してしまうケースも多々あります。

しかし保険会社の示す過失割合は必ずしも正しいとは限りません。被害者側の過失割合が過大にされているケースも多いので、注意しましょう。

 

信号機のない交差点で左折車と直進車が接触した交通事故の過失割合

2020-12-14

信号機のない交差点で事故が発生すると、お互いの過失割合について意見が合わずトラブルになるケースが多々あります。

 

ここでは信号機のない交差点において「左方から進行してきた左折車」と「右方を直進してきた直進車」が接触してしまった交通事故の過失割合を、パターン別にご紹介します。

 

道路幅が同程度

 

信号機のない交差点で左折車と直進車が接触事故において道路幅が同程度の場合の過失割合

 

基本の過失割合

道路幅が同程度の場所で交通事故が発生した場合、基本の過失割合は、直進車:左折車=50:50になります。

 

道路交通法上、交差点においては「左方車優先の原則」が適用されます(道路交通法36条1項1号)。すなわち交差点の左方から進入してくる自動車の過失割合が低くなるのが原則です。

 

ただこの原則は、左方車が直進するケースを前提としています。本件のように左方車が左折する場合、直進車の進行方向の道路へと入っていくので直進車の進路を妨害してしまいます。また左折車が交差点内で左に進行方向を変えて、直進車と同程度まで加速するには時間がかかります。その間にも直進車に接触する危険が高くなるでしょう。

そこで左折車の場合には左方であっても「左方車優先の原則」がそのまま適用されず、それなりの過失を認めます。

結論として直進車と左折車には同程度の過失があるといえ、直進車も左折車も過失割合は50%とされます。

信号機のない交差点上の直進車と左折車の交通事故において、基本の過失割合は、以下のような個別事情によって修正される可能性があります。

  • 左折車が徐行していない…左折車に10%加算
  • 左折車に著しい過失…左折車に10%加算
  • 左折車に重過失…左折車に20%加算

 

  • 事故現場は見通しのきく場所であった…直進車に10%加算
  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

見通しのきく場所で修正される理由

このパターンの基本の過失割合(直進車:左折車=50:50)は、事故現場が「見通しのきかない場所」である状況を前提としています。見通しがきかない場所では、直進車にとって横から出てくる左折車が見えにくくなるので、直進車の過失割合が低めに抑えられています。

 

これに対し事故現場が見通しのきく場所であれば、直進車は左方から出てくる左折車を事前に確認しやすく、事故を避けるのが容易になるでしょう。それにもかかわらず漫然と直進して事故につながったといえるので、直進車の過失割合を加算されます。

 

著しい過失とは

著しい過失とは、通常の想定を超える不注意です。時速15キロメートルを超えるスピード違反、著しいハンドル・ブレーキ操作不適切、スマホやカーナビ、テレビを見ながらの運転、酒気帯び運転などが該当します。

重過失とは

重過失とは、故意とも同視すべき悪質な過失です。時速30キロメートルを超えるスピード違反、酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転などが該当します。

 

著しい過失、重過失の修正要素は次項以下でも出てくるので、覚えておきましょう。

 

直進車の走行道路が明らかに広い場合

 

信号機のない交差点で左折車と直進車が接触した交通事故における直進車の走行道路が明らかに広い場合の過失割合

 

基本の過失割合

直進車が走行してきた道路が明らかに広く左折車の走行道路が明らかに狭い場合、基本の過失割合は狭路車(左折車):広路車(直進車)=70:30となります。

 

道路交通法上、交差点において狭路を走行してきた車は広路を走行してきた車へ道を譲らねばならないと規定されています(道路交通法36条2項)。それにもかかわらず注意を怠って広路車へ接触した狭路車の過失割合は高くなるでしょう。

そこで基本的に広路車(直進車)の過失割合が30%、狭路車(左折車)の過失割合が70%とされます。

 

なおこの基本の過失割合において、直進車が狭路、左折車が広路のケースは想定されていません。直進車が狭路、左折車が広路の場合には個別的な事情に依存する度合いが高く、パターン化に適さないと考えられているからです。

広路車(直進車)と狭路車(左折車)が接触した交通事故における修正要素は、以下のとおりです。

  • 狭路車が徐行しなかった…狭路車に10%加算
  • 狭路車に著しい過失…狭路車に10%加算
  • 狭路車に重過失…狭路車に20%加算

 

  • 広路車が減速しなかった…広路車に10%加算
  • 広路車に著しい過失…広路車に10%加算
  • 広路車に重過失…広路車に20%加算

 

左折車側に一時停止規制がある場合

信号機のない交差点で左折車と直進車が接触した交通事故における左折者側に一時停止規制がある場合の過失割合

 

基本の過失割合

左折車側に一時停止の規制があった場合、一時停止義務のある左折車:一時停止義務のない直進車=80:20となります。

 

なお、これは「一時停止義務があるにもかかわらず一時停止せずに交差点に進入した場合」を想定しています。一時停止義務を守った場合には修正要素によって考慮します。

 

交差点において一方に一時停止義務がある場合、交差点に入る前にいったん停止して周囲の安全を確かめなければなりません。その上で、交差点へ進入した後も、交差道路を進行する車両の妨害をしてはならないと規定されています(道路交通法43条)。

それにもかかわらず一時停止義務を守らず交差点に進入し、相手に接触したら高い過失割合が認められて当然といえるでしょう。

そこで一時停止義務のある車両(左折車)の過失割合が80%、ない車両(直進車)の過失割合が20%となります。

一時停止義務のある左折車とない直進車が接触した交通事故における過失割合の修正要素は、以下の通りです。

  • 一時停止義務のある左折車が徐行しなかった…左折車に10%加算
  • 一時停止義務のある左折車に著しい過失…左折車に10%加算
  • 一時停止義務のある左折車に重過失…左折車に20%加算

 

  • 一時停止義務のある左折車が一時停止してから進入…一時停止義務のない直進車に15%加算
  • 一時停止義務のない直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 一時停止義務のない直進車の著しい過失…直進車に10%加算
  • 一時停止義務のない直進車の重過失…直進車に20%加算

 

 

直進車が優先道路の場合

信号機のない交差点で左折車と直進車が接触した交通事故における直進車が優先道路の場合の過失割合

基本の過失割合

直進車が優先道路だった場合、基本の過失割合は優先道路車(直進車):非優先道路車(左折車)=10:90となります。

 

交差点において、一方が優先道路を走行している場合には、非優先道路車は優先道路車の進行を妨害してはなりません(道路交通法36条2項)。そこで基本的には優先道路車の過失割合が低くなります。

 

そこで基本的に優先道路を走行していた直進車の過失割合が10%、非優先道路を走行してきた左折車の過失割合が90%となります。

 

なおこのパターンでは、直進車が優先道路であるケースを想定しています。直進車が非優先道路の場合には個別的事情による影響が大きくなるので、パターン化に適さないと考えられています。

直進車が優先道路の場合の修正要素は、以下の通りです。

  • 非優先道路車(左折車)が徐行しなかった…非優先道路車(左折車)に10%加算
  • 非優先道路車(左折車)に著しい過失…非優先道路車(左折車)に10%加算
  • 非優先道路車(左折車)に重過失…非優先道路車(左折車)に20%加算

 

  • 優先道路車(直進車)に著しい過失割合…優先道路車(直進車)に10%加算
  • 優先道路車(直進車)に重過失…優先道路車(直進車)に20%加算

 

過失割合に納得できない場合、弁護士にご相談を

交通事故の過失割合は、事故の具体的な状況によって大きく異なってきます。特に今回ご紹介したような「信号機のない交差点」での事故では、信号機の色によって過失割合を判定できないので、当事者間で意見が割れやすい傾向があります。

保険会社が主張する過失割合が必ずしも正しいとは限りません。弁護士が示談交渉に対応すると、被害者側の過失割合を大きく下げられる可能性があります。

 

被害者の過失割合を過大に評価されてしまったら、相手に請求できる慰謝料や賠償金を大きく減額されてしまい、不利益となるでしょう。過失割合に納得できない場合、適正な過失割合を知りたい場合には、お早めに弁護士までご相談ください。

信号機のない交差点で直進車と右折車が接触した交通事故の過失割合(右折車が右方)

2020-12-11

信号機のない交差点では、直進車と右折車が接触してしまう交通事故が多発します。

示談の際に不利益を受けないよう、パターンごとの適切な過失割合を把握しておきましょう。

 

今回は「直進車」と「右折車」の接触事故で、右折車が右側を走行していたケースをとりあげて、基本の過失割合と修正要素を解説します。

 

道路幅が同程度のケース

交差点における右折車が右側にいて道路幅が同程度の場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=30%:70%

 

交差する道路の幅が同程度で特に優先関係もなく、一時停止規制もない原則的な交通事故の過失割合です。

交差点上では道路交通法37条により、右折車よりも直進車が優先されます。また道路交通法36条1項1号には「右方車よりも左方車が優先する」と規定されています。そこで右方右折車の過失割合が高くなり、左方直進車の過失割合は低くなります。結果として直進車(左方)と右折車(右方)の過失割合はそれぞれ30%:70%となります。

交通事故における基本の過失割合は、さまざまな個別事情によって修正される可能性があります。過失割合を修正する事情を「修正要素」といいます。

 

道路幅が同程度、直進車(左方)と右折車(右方)の交通事故における過失割合の修正要素をみてみましょう。

 

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に酒気帯び運転など著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に酒酔い運転、居眠り運転などの重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反をしていた…右折車に10%加算
  • 右折車に酒気帯び運転など著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に酒酔い運転、居眠り運転などの重過失…右折車に20%加算

 

*著しい過失、重過失について

著しい過失とは通常の過失を大きく上回る過失です。たとえば酒気帯び運転スマホやカーナビをみながらの「ながら運転」著しいハンドルブレーキ操作不適切などによる運転などがあてはまります。

重過失は故意とも同視できるような悪質な過失をいいます。酒酔い運転居眠り運転無免許運転などのケースで認められます。

 

一方が明らかに広い道路のケース

右折車が狭路から広路へ出る場合

 

右折車が狭路から広路へ出る場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=20%:80%

 

交差点上で一方が明らかに広い道路の場合、広路車が優先されます(道路交通法36条2項)。そこで広路を走行していた直進車が優先され、右折車の過失割合は上がります。基本の過失割合は直進車:右折車が20%:80%となります。

  • 直進車が徐行しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい脇見運転などの著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に居眠り運転などの重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反をしていた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に5%加算
  • 右折車に重過失…右折車に10%加算

 

右折車が広路から狭路へ入る場合

右折車が広路から狭路へ入る場合に起きた接触事故による過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=50%:50%

 

右折車が広路を走行してきて直進車の走行する狭路に入る場合、広路車が優先されるので右折車の過失割合は基本的に低くなるはずです(道路交通法36条2項)。ただし左側を走る直進車が優先されるという規定もありますし(道路交通法36条1項)、交差点上では右折車よりも直進車が優先されるという規定もあります(道路交通法37条)。

 

こういった事情をすべて考慮すると、広路の右折車(右方)と狭路の直進車(左方)の交通事故では双方に同等の過失割合があると認められ、基本の過失割合は、直進車が50%、右折車も50%となります。

 

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に20%加算

 

一方に一時停止規制がある場合

右折車に一時停止規制がある場合

右折車に一時停止規制がある場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=15%:85%

 

右折車側に一時停止規制がある場合、右折車は交差点に入る前に一時停止しなければなりません。そうすると直進車を確認できるので、事故を避けられたはずです。それにもかかわらず交差点に入り事故を起こした点に高い過失が認められるので、右折車の過失割合が上がります。

結果として直進車の過失割合は15%、右折車の過失割合は85%となります。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 右折車が一時停止してから交差点に進入した…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に15%加算

 

直進車に一時停止規制がある場合

直進車に一時停止規制がある場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=60%:40%

直進車側に一時停止規制がある場合、直進車は交差点に入る前に一時停止をして周囲の安全を確かめなければなりません。そうすれば右折車の存在を確認できるはずなのに、不注意で交差点に入って事故を起こした点に高い過失が認められるでしょう。そこで基本の過失割合としては直進車が60%、右折車が40%とされます。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 直進車が一時停止してから進入した…右折車に15%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に20%加算

 

 

一方が優先道路の場合

右折車が非優先道路から優先道路へ入る場合

右折車が非優先道路から優先道路へ入る場合の接触事故における過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=10%:90%

 

交差点で交通事故が発生したとき、一方が優先道路であれば優先道路車が優先されるので(道路交通法36条2項)非優先道路車の過失割合が上がります。

また交差点においてはそもそも直進車が右折車より優先されるという規定もあります(道路交通法37条1項)。そこで非優先道路を走行してきた右折車には高い過失が認められ、直進車の過失割合が10%、右折車の過失割合が90%となります。

  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に5%加算
  • 右折車に重過失…右折車に10%加算

 

右折車が優先道路から非優先道路へ入る場合

右折車が優先道路から非優先道路へ入る場合の接触事故における過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=70%:30%

 

直進車が非優先道路を走行しており、右折車が優先道路から直進車の向かう非優先道路へ入るケースです。位置的には直進車が左側、右折車が右側となります。

 

この場合、優先道路を走行している右折車が基本的に直進車よりも優先されます(道路交通法36条2項)。よって直進車の過失割合が比較的高くなり、基本の過失割合は直進車が70%、右折車が30%となります。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に20%加算

 

過失割合に納得できない場合、弁護士までご相談ください

交通事故に遭ったとき、被害者側と加害者側とで過失割合についての認識が合致せず大きなトラブルになるケースが少なくありません。特に信号機が設置されていない交差点の場合、さまざまな修正要素も適用されるため慎重な判断が必要となるでしょう。保険会社の主張する過失割合が必ずしも正しいとは限りません。

弁護士が交渉すると、被害者側の過失割合を大きく下げられるケースも多々あります。保険会社の主張する過失割合に疑問があるなら、示談してしまう前に弁護士までご相談ください。

信号機のない交差点で直進車と右折車が接触した交通事故の過失割合(右折車が左方)

2020-12-10

信号機のない交差点で交通事故が発生すると、「過失割合」がトラブルのもとになりやすいので注意しましょう。こちらの過失割合を高くされてしまったら、賠償金を減額されて不利益を受けてしまいます。

今回は信号機のない交差点における「直進車」と「右折車」の接触事故で、右折車が左側を走行していたケースについて、基本の過失割合と修正要素を解説します。

交通事故で適正な過失割合を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

道路幅が同程度のケース

右折車が左方車である場合における接触事故が道路幅が同程度で起きた場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=40%:60%

 

交差する道路の幅がそれぞれ同程度となっており、特に優先関係もなく一時停止規制もない場合の交通事故です。

道路交通の基本ルールとして、右折車より直進車が優先されます(道路交通法37条)。ただし道路交通法36条1項1号によると、「右方車よりも左方車が優先される」と規定されています。そこで原則的には直進車の過失割合が低くなりますが、右方を走行している以上直進車にも過失割合が認められるので、それぞれの過失割合は直進車が40%:右折車が60%となります。

 

どちらか一方が減速をしなかった場合などの個別事情による加算

基本の過失割合は、事故ごとの個別事情によって修正される可能性があります。過失割合を修正する事情を「修正要素」といいます。

道路幅が同程度、直進車(右方)と右折車(左方)の交通事故の修正要素をみてみましょう。

 

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に酒気帯び運転など著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に酒酔い運転、居眠り運転などの重過失…直進車に20%加算
  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反をしていた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に酒気帯び運転など著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に酒酔い運転、居眠り運転などの重過失…右折車に20%加算

 

*著しい過失、重過失とは

著しい過失とは、通常を大きく上回る不注意を意味します。酒気帯び運転、スマホやカーナビをみながらの「ながら運転」、著しいハンドルブレーキ操作不適切などによる運転をした場合などに認められます。

重過失は故意とも同視しうるくらいの悪質な過失です。酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転などのケースで認められます。

 

 

一方が明らかに広い道路のケース

右折車が狭路から広路へ出る場合

一方が明らかに広い道路での右折車が狭路から広路へ出る場合

基本の過失割合

直進車:右折車=20%:80%

 

道路交通法上、一方が明らかに広い道路では広路車が優先されます(道路交通法36条2項)。直進車が広路を走行していた場合には直進車が優先され、右折車の過失割合が高くなります。基本の過失割合は直進車が20%、右折車が80%となります。

  • 直進車が徐行しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が明らかに先に交差点に入っていた…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい脇見運転などの著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に居眠り運転などの重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反をしていた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に5%加算
  • 右折車に重過失…右折車に10%加算

 

右折車が広路から狭路へ入る場合

一方が明らかに広い道路での右折車が広路から狭路へ入る場合における過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=60%:40%

 

右折車が左方の広路を走行してきて直進車(右方)の走行してきた狭路に入り、接触した交通事故です。この場合、基本的には広路を走る右折車が優先されますし(道路交通法36条2項)、左側車両優先の法則も加味して検討すべきでしょう(道路交通法36条1項)。ただし右折車よりも直進車が優先されるという道路交通法の規定も考慮されます(道路交通法37条)。結論として広路の右折車(左方)と狭路の直進車(右方)の交通事故では、直進車が60%、右折車40%となります。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反をした…右折車に20%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に20%加算

 

一方に一時停止規制がある場合

右折車に一時停止規制がある場合

右折車に一時停止規制がある場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=15%:85%

 

右折車側に一時停止規制がかかるケースでは、右折車は交差点に入る前に一時停止しなければなりません。そうすると、直進車を確認できるため事故を避けられたはずです。それにもかかわらず漫然と交差点に進入して事故を起こしてしまったら、右折車に高い過失が認められるでしょう。よって基本の過失割合は、直進車の過失割合が15%、右折車の過失割合が85%とされます。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 右折車が一時停止してから交差点に進入した…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に15%加算

 

直進車に一時停止規制がある場合

直進車に一時停止規制がある場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=70%:30%

 

直進車に一時停止規制がかかるケースでは、直進車は交差点に入る前に一時停止をして周囲の安全を確認すべき義務を負います。それにもかかわらず不注意で交差点に入り、右折車と接触して事故を起こしたら高い過失があるといえるでしょう。基本の過失割合は直進車が70%、右折車が30%となります。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に15%加算
  • 直進車が一時停止してから進入した…右折車に15%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に20%加算

 

 

一方が優先道路の場合

右折車が非優先道路から優先道路へ入る場合

右折車が非優先道路から優先道路へ入る場合の過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=10%:90%

 

一方が優先道路のケースでは、優先道路を走行してきた車が優先されます(道路交通法36条2項)。また交差点においては直進車が右折車より優先されるという原則もあります(道路交通法37条1項)。そこで非優先道路の右折車の過失が高くなり、基本的に直進車の過失割合は10%、右折車の過失割合は90%とされます。

  • 右折車が明らかに先に交差点に進入していた…直進車に10%加算
  • 右折車が既に右折していた…直進車に15%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に10%加算
  • 直進車に重過失…直進車に20%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に5%加算
  • 右折車に重過失…右折車に10%加算

 

右折車が優先道路から非優先道路へ入る場合

右折車が優先道路から非優先道路へ入る場合の接触事故における過失割合

基本の過失割合

直進車:右折車=80%:20%

 

直進車が非優先道路を走行してきたところ、右折車が優先道路から非優先道路へ入ろうとして接触した交通事故のケースです。位置関係は直進車が右方、右折車が左方です。

 

このパターンの場合、道路交通法によると優先道路を走行している右折車は直進車に優先します(道路交通法36条2項)。また右折車は左方車である以上、右方車である直進車よりも優先されます(道路交通法37条)。そこで基本的に直進車の過失割合が上がり、直進車の過失割合が80%、右折車が20%となります。

  • 直進車が減速しなかった…直進車に10%加算
  • 直進車が時速15キロメートル以上の速度違反…直進車に10%加算
  • 直進車が時速30キロメートル以上の速度違反…直進車に20%加算
  • 直進車に著しい過失…直進車に5%加算
  • 直進車に重過失…直進車に10%加算

 

  • 右折車が徐行しなかった…右折車に10%加算
  • 右折車が右折禁止違反していた…右折車に10%加算
  • 右折車が早回り右折した…右折車に10%加算
  • 右折車に著しい過失…右折車に10%加算
  • 右折車に重過失…右折車に20%加算

 

交差点で交通事故に遭ったら過失割合に注意

交通事故で示談する際には、お互いの過失割合を重視しましょう。被害者側の過失割合を高くされてしまったら大きく過失相殺されて、賠償金を減額されてしまうためです。保険会社の主張する過失割合に納得できない場合、適正な過失割合を知ってから示談すべきといえるでしょう。

交差点の交通事故にはさまざまな修正要素が適用されるので、状況に応じた個別の判断が必要となります。保険会社の主張が必ずしも正しいとは限りません。弁護士が対応すれば被害者側の過失割合を大きく下げられるケースも多いので、適正な過失割合をあてはめるため、まずは一度ご相談ください。

交差点における右折車と直進車の交通事故の過失割合

2020-12-09

交差点では、右折車と直進車が接触して交通事故が発生するケースが多々あります。

信号機が設置されているケースと設置されていないケース、信号機の色ごとに、パターン別に基本の過失割合と修正要素をみていきましょう。

信号機の設置されている交差点における、右折車と直進車の事故

 

信号機の色別、基本の過失割合の表

 

直進車の過失割合

右折車の過失割合

直進車、右折車ともに青

20%

80%

直進車が黄信号、右折車が青信号で進入し黄色になって右折

70%

30%

直進車、右折車ともに黄信号

40%

60%

直進車、右折車ともに赤信号

50%

50%

直進車が赤信号、右折車が青信号で進入し赤信号になって右折

90%

10%

直進車が赤信号、右折車が黄信号で進入し赤信号になって右折

70%

30%

直進車が赤信号、右折車が右折の青矢印信号で右折

100%

0%

 

 

交差点では直進車と左折車が優先される

交差点においては、基本的な交通ルールとして「右折車よりも直進車・左折車が優先」されます(道路交通法37条)。すなわち交差点を右折しようとする車両は、直進車や左折車の進行を妨害してはなりません。

 

そこで交差点で直進車と右折車が接触する場合、基本的には直進車の過失割合が低くなります。

ただし信号機が設置されている場合、車両は必ず信号機による指示に従わねばなりません(道路交通法7条)。たとえ直進車であっても信号無視をしていると、直進車の過失割合は高くなります。

 

以上を前提に、個別のパターンにおける過失割合をみていきましょう。

 

直進車、右折車ともに青

直進車と右折車の信号機がともに青の場合の過失割合

直進車と右折車の信号機の色がともに青の場合、道路交通法の原則とおり直進車は右折車に優先します。直進車に道を譲らなかった右折車の過失割合が上がり、直進車:右折車=20%:80%となります。

直進車と右折車の事情により加算される修正要素

直進車・右折車に直進車の過失割合が加算される事情

直進車が黄信号、右折車が青信号で進入し黄色になって右折

直進車が黄信号、右折車が青信号で進入し黄色になって右折した場合の過失割合

信号機の色が黄色の場合、車両は原則的に停止しなければなりません。進行して良いのは、停止によって危険が発生する場合のみです。直進車が黄信号の場合、原則として停止しなければなりません。それにもかかわらず交差点へ進入した直進車の過失割合が上がります(道路交通法7条)。

 

そこで直進車が黄色、右折車が青の場合の基本の過失割合は直進車:右折車=70%:30%となります。

直進車が黄信号、右折車が青信号で進入し黄色になって右折の場合の修正要素

直進車、右折車ともに黄信号

直進車、右折車ともに黄信号の場合の過失割合

直進車と右折車が両方とも黄信号であったにもかかわらず、安全に停止線で停止できず交差点に進入した場合です。このパターンでは、両方が青信号で進入するケースと同様に考えられ直進車が優先されます(道路交通法37条)。結果として直進車の過失割合が40%、右折車の過失割合が60%となります。

直進車、右折車ともに黄信号での接触事故の場合の修正要素

直進車、右折車ともに赤信号

 

直進車、右折車ともに赤信号の場合の修正要素

直進車と右折車がともに赤信号の場合、双方に信号無視の重大な過失が認められるので、お互いの過失割合が50%:50%となります。

このパターンの修正要素も、直進車・右折車ともに青(直進車・右折車ともに黄)のケースと同様です。

直進車、右折車ともに赤信号の修正要素

直進車が赤信号、右折車が青信号で進入し赤信号になって右折

直進車が赤信号、右折車が青信号で進入し赤信号になって右折した場合の過失割合

直進車が赤信号の場合、直進車には明らかな信号無視があるので(道路交通法7条違反)直進車の過失割合が上がります。

一方、右折車は青信号で侵入しているものの、交差点の中で赤信号となってしまっているので小さくても過失割合が認められます。

基本の過失割合は、直進車:右折車=90%:10%となります。

直進車が赤信号、右折車が青信号で進入し赤信号になって右折した場合の修正要素

直進車が赤信号、右折車が黄信号で進入し赤信号になって右折

直進車が赤信号、右折車が黄信号で進入し赤信号になって右折した場合の修正要素

直進車が赤信号の場合、直進車には明らかな信号無視(道路交通法7条違反)があるので高い過失割合が認められます。

一方で右折車は黄信号である以上、原則として停止しなければなりません。停止せずに交差点に進入して交差点内で赤信号となっている点で過失が認められるので、直進車:右折車の過失割合は70%:30%となります。

このパターンにおける修正要素は、「直進車が赤信号、右折車が青信号で進入し赤信号になって右折」のケースと同様です。

 

直進車が赤信号、右折車が黄信号で進入し赤信号になって右折した場合の修正要素

直進車が赤信号、右折車が右折の青矢印信号で右折

直進車が赤信号、右折車が右折の青矢印信号で右折による接触事故の過失割合

直進車が赤信号の場合、直進車側に明らかな信号無視が認められるので過失割合は高くなります(道路交通法7条違反)。一方で右折の青矢印信号が出ている場合、右折車に信号無視はありません。よって直進車の過失割合:右折車の過失割合=100%:0%となります。

修正要素は以下のとおりです。

直進車が赤信号、右折車が右折の青矢印信号で右折した場合の修正要素

信号機の設置されていない交差点における直進車と右折車の事故

信号機の設置されていない交差点における直進車と右折車の事故での過失割合

交差点では、原則として直進車が右折車よりも優先されます道路交通法37条)。よって信号機のない交差点で直進車と右折車が接触した場合、原則とおり右折車の過失割合が高くなり、基本の過失割合は直進車:右折車=20%:80%となります。

このパターンにおける修正要素は以下のとおりです。

 

信号機の設置されていない交差点における直進車と右折車の事故における修正要素

過失割合に疑問のある場合、弁護士にご相談ください。

交差点で直進車と右折車が接触する事故が発生する頻度は非常に高くなっています。

事故に遭ったとき、基本の過失割合だけではなく修正要素を的確に適用しなければ、正しい過失割合を算定できません。保険会社の主張する過失割合が必ずしも正しいとは限らないので注意が必要です。

過失割合について疑問がある場合、弁護士へ相談しましょう。個別の事情に応じて適切な過失割合をご案内させていただきます。弁護士が対応すると被害者側の過失割合が大きく下がって賠償金が増額されるケースも多いので、横浜で交通事故に遭われましたら、お早めにご相談ください。

車両用信号が赤、歩行者用の押しボタン信号が青色だった場合の過失割合

2020-12-01

歩行者用信号が青、車両用信号が赤の場合の過失割合1

基本の過失割合

歩行者用青信号の車両:車両用赤信号の車両=30%:70%

車両用の信号機と歩行者用の信号機が設置されている交差点とは

比較的交通量の少ない交差点では、交差する2つの道路の「片方」にしか車両用の信号機が設置されていない場所があります。

そういった交差点では、車両用の信号機は「原則として常に青」となっていて、交差する道路には「歩行者用の押しボタン式信号機」が設置されているケースが多数です。歩行者用の信号機が「青」に変わるタイミングのみ、いつもは青になっている車両用の信号機が「赤信号」に変わる仕組みです。

このような場所では、車両用信号機の色が「原則として青」なので、走行してくる車両は「きっと信号は青だろう」と信頼して、あまり注意しないままに交差点に進入しやすい傾向があります。すると、たまたま「歩行者用信号が青」になったとき、進入してきた交差道路の車両と接触して交通事故につながります。

歩行者用の信号機は車両を規制しない

歩行者用の信号は歩行者と自転車のみを規制するものであり、車両に対して指示する効力はありません。つまり歩行者用信号機があっても、交差道路には「信号機が設置されていない」のと同じ扱いとなります。交差道路の車両用信号がそれぞれ「赤:青」だったケースと同様に考えることはできません。(車両用信号が赤:青だった場合の過失割合は100%:0%となります)

基本の過失割合の考え方

歩行者用信号機が車両に規制を及ぼさないとしても、自車の進行方向の信号が赤になっており、交差道路から車両が出てきているにもかかわらず交差点へ進入したら、高い過失が認められるでしょう。そこで基本の過失割合として、歩行者用青信号車両の過失割合が30%、車両用赤信号車両の過失割合が70%となります。

歩行者用青信号の車両に過失があった場合は?

歩行者信号が青車両信号が赤の場合の修正要素

過失割合で迷ったときには弁護士にご相談ください。

交通事故の過失割合のルールは、事故現場や具体的状況によって大きく異なります。
本件のように一方には歩行者用信号機しかない場合、基本の過失割合だけではなく修正要素の考え方も複雑になります。
ご自身では適切な割合を算定できない場合も多いでしょう。
示談交渉の際に保険会社から過失割合を提示され、受諾して良いかどうか迷っているなら弁護士までご相談ください。
事故の状況を詳しくお伺いして法的な基準により、正しい過失割合を算定させていただきます。

信号機のない交差点における交通事故の過失割合

2020-11-30

信号機が設置されていない交差点で交通事故が発生した場合、お互いの道路幅や一時停止規制の有無などの諸事情により、過失割合が変わってきます。

以下でパターンごとの基本の過失割合と修正要素について、弁護士が解説します。

道路幅が同程度の場合

 

道路幅が同程度の過失割合 道路幅がお互い同程度で、一方通行違反も一時停止規制もなく、優先道路関係もないケースです。

基本の過失割合

 

 

左側車両

右側車両

同程度の速度

40%

60%

右側車両のみ減速

50%

50%

左側車両のみ減速

20%

80%

 

道路交通法では、交差点において「左側車両優先の原則」が採用されています。つまり交差点上に複数の車両が進入するとき、右側車両は左側車両の進行を妨害してはなりません(道路交通法36条1項1号)。

お互いの道路幅が同程度の場合、左側車両が優先されるので、右側車両の過失割合が高くなります。基本の過失割合は左側車両が40%、右側車両が60%とされます。

一方で、どちらかが減速すると状況が変わってきます。道路交通法は、交差点を通過しようとする車両へ徐行義務を定めているからです(道路交通法42条1号)。そこで一方車両が徐行し他方が徐行しない場合には、徐行しなかった車の過失割合が高くなります。

右側車両のみが徐行するとお互いの過失割合が50%ずつとなり、左側車両のみが徐行した場合の過失割合は左側車両が20%、右側車両が80%とされます。

夜間や見通しの良い交差点では?

基本の過失割合は、事故の状況ごとのさまざまな事情によって修正されます。

同程度の幅の道路が交差する交差点上(信号機なし)の事故の修正要素は以下のとおりです。

道路幅が同程度の交差点での修正要素

片方に一方通行違反があった場合

 

片方に一方通行違反があった場合の過失割合

基本の過失割合

違反のない車両:一方通行違反車両=20%:80%

片方に一方通行義務違反があった場合、違反していなかった車両の過失割合が20%、違反した車両の過失割合が80%となります。

どちらかに一方通行義務違反がある場合、明らかに法令に違反する行為をしているので過失割合が高くなります。ただし一方通行義務違反はなくても、見通しのきかない交差点へ進入する場合には道路交通法上の徐行義務が課されます。また前方を注視して安全を確認すべき義務もあるでしょう。そこで一方通行違反のない車両にも一定の過失割合が認められるといえます。

結果として違反していない車両に20%、一方通行義務違反車両に80%の過失割合が振り分けられます。

夜間や著しい過失がある場合は

片方に一方通行違反があった交通事故過失割合の修正要素は以下のとおりです。

 

片方に一方通行違反がある場合の修正要素

一方が明らかに広い道路の場合

 

一方が明らかに広い道路の場合の過失割合

 

基本の過失割合

 

 

広路車

狭路車

同程度の速度

30%

70%

狭路車のみ減速

40%

60%

広路車のみ減速

20%

80%

 

一方が明らかに広い道路の場合、同程度の速度であれば広路車が優先されます。よって広路車の過失割合が30%、狭路車の過失割合が70%となります。

狭路車のみ減速した場合、狭路車は道路交通法上の徐行義務(道路交通法42条1項1号)を守ったことになりますが広路車は守っていません。そこで広路車の過失割合が上がり40%となります。狭路車の過失割合は60%です。

広路車のみ減速した場合には、広路車の過失割合が下がり20%となります。狭路車の過失割合は80%まで上がります。

狭路車が明らかに先に入っていた場合は?

一報が明らかに広い道路の場合の修正要素

片方に一時停止規制があった場合

 

片方に一時停止規制があった場合の過失割合

基本の過失割合

 

 

一時停止規制なし

一時停止規制あり

速度が同程度

20%

80%

規制なしの車両のみ減速

30%

70%

規制ありの車両のみ減速

10%

90%

一時停止してから進入

40%

60%

 

片方に一時停止規制があった場合の過失割合は、お互いの車両の速度によって異なります。

同程度の速度のケース

同程度の速度の場合、一時停止規制のある車両に高い過失割合が認められます。一時停止規制がある場合、停止を指示された車両は交差道路を通行する車両を妨害してはならないルールになっているためです(道路交通法43条)。基本の過失割合は、一時停止規制のない車両が20%、規制のある車両が80%とされます。

 

一時停止規制なしの車両のみ減速したケース

一方の車両が減速すると、減速した車両の過失割合が下がります。一時停止規制なしの車両のみ減速した場合、規制なしの車両の過失割合が30%となり規制ありの車両の過失割合が70%まで上がります。

時停止規制ありの車両のみ減速したケース

反対に一時停止規制なしの車両のみ減速した場合、規制なしの車両の過失割合は10%まで下がり、規制ありの車両の過失割合は90%となります。

 

一時停止規制ありの車両が一旦停止した場合

一時停止規制ありの車両がきちんと一時停止してから進入した場合には、注意義務を果たしたといいやすいので過失割合が下がります。一方で、相手が一時停止しているにもかかわらず注意を払わずに交差点に進入した規制なしの車両には、高い過失が認められるでしょう。規制ありの車両の過失割合が60%、規制なしの車両の過失割合が40%となります。

一時停止規制がある場合の過失割合修正要素は以下のとおりです。

 

一時停止規制があった場合の修正要素

優先道路と非優先道路の場合

優先車と非優先車の接触事故における過失割合

基本の過失割合

優先道路車:非優先道路車=10%:90%

優先道路とは以下のような道路です。

  • 道路標識によって「優先道路」として指定されている道路
  • 交差点において、中央線や車両通行帯がもうけられている道路

 

優先道路の車両は、非優先道路の車両よりも優先して交差点を通行できます。そこで優先車と非優先車が接触した場合には優先車の過失割合が低くなり、優先車の過失割合が10%、非優先車の過失割合が90%となります。

非優先車が交差点に明らかに先に入っていた場合は?

優先車と非優先車が接触した交通事故の過失割合修正要素は以下のとおりです。

 

優先車と非優先車の修正要素

 


過失割合について疑問があるなら、弁護士へ相談を

交通事故で賠償金(示談金)を計算するときには、被害者と加害者の過失割合が極めて重要です。被害者の過失割合を高くされると賠償金を大きく減額されてしまうからです。被害者がご自身で保険会社と示談交渉をすると、保険会社から高い過失割合を割り当てられるケースが多いので注意しましょう。 保険会社は上記で紹介した適切な過失割合をあてはめず、被害者に高めの過失割合を割り当てることも少なくありません。そのまま示談すると損をしてしまいます。 過失割合の判断に迷われたときには、弁護士に相談しましょう。弁護士であれば事故の詳細な状況を伺って、適切な過失割合を算定できます。弁護士が示談交渉を代行すれば、正しい過失割合をあてはめて賠償金を大きく増額できる可能性が高まります。横浜で交通事故に遭われた方は、お気軽に横浜クレヨン法律事務所までご相談ください。

「交差点における直進車同士の出会い頭事故(信号機あり)」の過失割合

2020-11-24

交差点上では、交通事故が非常に発生しやすい傾向があります。 「信号機のある交差点」で、「直進車同士」が接触してしまった交通事故では、お互いがどのくらいの過失割合になるのでしょうか?

信号機の色ごとに、基本の過失割合と修正要素を加味した割合を弁護士が解説します。

 

1.青信号車と赤信号車の接触事故

青信号と赤信号の接触事故

 

1-1  基本の過失割合

青信号車:赤信号車=0%:100%

青信号車と赤信号車が接触した場合、青信号車の過失割合が0%、赤信号車の過失割合が100%となります。
道路交通法は、「歩行者や車両は信号機の指示に従わねばならない」と規定しています(7条)。
そこで、信号機の指示を守らず赤信号で交差点に進入した赤信号車には大きな過失が認められます。
青信号車は信号機による指示を守っており違反がないので、過失割合が認められません。
よって青信号車の過失割合は0%、赤信号車の過失割合が100%となります。

 

1-2  事故の個別事情に応じて修正される可能性

基本の過失割合は、事故の個別事情に応じて修正される可能性があります。過失割合に影響を与える事情を「修正要素」といいます。

赤信号車と青信号車の接触事故における修正要素として、以下のようなものがあります。

四輪車同士の自動車事故 過失割合 青信号と赤信号の修正要素

2.黄信号車と赤信号車の接触事故

黄信号車と赤信号車の接触事故

 

2-1.基本の過失割合

黄信号車:赤信号車=20%:80%

黄信号車と赤信号車が接触した場合の基本の過失割合は、黄信号車が20%、赤信号車が80%となります。
道路交通法は、黄信号の場合には原則として「停止位置を超えて進行してはならない」と規定しています。
黄信号でも交差点に進入しても良いのは、急に停止すると危険が発生する場合のみです。
このように、道路交通法は「黄信号でも原則として停止しなければならない」と規定しているので、黄信号で直進した車にも過失割合が認められます。
ただ相手が赤信号であれば、赤信号車の過失割合の方が大きくなるでしょう。
そこで基本の過失割合としては、黄信号車が20%、赤信号車が80%となります。

 

2-2.黄信号車にスマホのながら運転、前方不注視があったら?

黄信号車と赤信号車の接触事故にも個別事情にもとづく修正要素が適用されます。

黄信号車と赤信号車の接触事故の修正要素

3.赤信号車同士の接触事故

赤信号車の接触事故

3-1  基本の過失割合

赤信号車:赤信号車=50%:50%

信号機のある交差点で直進する赤信号車同士が接触した場合、お互いの過失割合は50%ずつとなります。
道路交通法上、車両は信号機による指示に従わねばならない絶対的な義務を負います(道路交通法7条)。
前方の信号機の色が赤であるにもかかわらず直進すると、明らかな道路交通法違反となるので大きな過失割合が認められます。 ただし双方とも赤信号の場合、双方に同様の過失があるといえるでしょう。
どちらにも優劣を付けられないので、お互いの過失割合が50%ずつになります。

 

3-2  赤信号同士の交通事故でも加算されることがあります

赤信号車同士の接触事故 修正要素


交通事故の過失割合に疑問があれば弁護士に相談を

交通事故の示談交渉時には、被害者と加害者とで過失割合についての意見が合わず、トラブルになる事例が多々あります。被害者が自分で示談交渉に対応すると、保険会社側から過大な過失割合をあてはめられてしまうケースも少なくありません。
修正要素を適用すべきケースで適用せず、被害者の過失割合が高めにされる事例も多いので、注意が必要です。
過失割合に納得できない場合には、示談してしまう前に弁護士に相談しましょう。
弁護士が適切な割合を算定し、保険会社と示談交渉を進めて被害者の権利を守ります。
横浜で交通事故に遭い、過失割合について疑問のある方は、お早めに横浜クレヨン法律事務所までご相談ください。

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