目次

「むち打ち」で後遺障害認定を取得する方法 総まとめ

 

交通事故に遭うと「むち打ち」になってしまわれる被害者の方が非常にたくさんおられます。

 

腰が痛い
  • 首が痛くて動かせない
  • 肩や背中にコリやしびれを感じる
  • 腕にもしびれがある
  • 何となく毎日がだるい
  • めまい、耳鳴りがする

 

 

事故後にこのような症状が発生するようになったなら、むち打ちを疑ってみてください。当事務所でも日常的にむち打ちに苦しむ交通事故の被害者さまからご相談をお受けしています。

 

 

実はむち打ちになると「後遺障害等級認定」を受けて高額な慰謝料や逸失利益を請求できる可能性があるので、正しい知識が必要です。

 

今回は「むち打ち」で後遺障害等級認定を獲得する方法を網羅的にご説明します。

事故後に整形外科や整骨院に通ってもなかなか症状が改善しない方はぜひ、参考にしてみてください。

 

1.むち打ちとは?

むち打ちとは、交通事故などの外部的な衝撃により頚髄(首の骨) が急激に振動し、中を通っている頸髄が損傷してしまう傷病です。

 

頸椎の中には脳から身体へと伝わる神経である「頸髄」が通っています。頸髄自体は非常に脆い組織なので、追突事故などで急な力が加わると頸椎が一瞬S字型にしなって中を通っている頸髄が簡単に傷んでしまうのです。

 

神経は身体の各部へ脳からの指令を伝える重要な組織ですから、ここが傷むと身体のさまざまな部分に痛みやしびれなどの症状が出てしまいます。これがむち打ちの基本的なメカニズムです。

 

1-1.むち打ちの主な症状

 

  • 首を動かせない
  • 首が痛い
  • 肩こり、背中のコリ
  • めまい、耳鳴り
  • 全身のだるさ
  • 頭痛、頭重感
  • 腕の痛みやしびれ

 

1-2.むち打ちの正式名や種類について

「むち打ち」は医学的な正式名称ではありません。

  • 軽い場合には「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」
  • 「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」を伴うケース
  • 「神経根」にまで損傷が及ぶ場合
  • 交感神経に異常が発生する「バレ・リュー症候群」
  • 脊髄にまで症状が及ぶ「脊髄損傷型」
  • 脳の膜が破れてしまう「低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)」

 

正式にはさまざまな診断名がつき、症状の内容や治療方法も異なります。

 

一般的に「むち打ち」という場合には「頸椎捻挫」や「外傷性頸部症候群」となるケースが多数です。

 

1-3.腰椎捻挫について

むち打ちというと通常は「頸椎」を損傷して中の頸髄を傷つけてしまう傷病をいいますが、ほとんど同様のケガとして「腰椎捻挫」があります。

 

腰椎捻挫とは腰の骨である腰椎が外部的に衝撃を受けて、中を通っている神経を傷つけてしまう傷病です。頸椎捻挫が頸椎の損傷であるのに対し、腰椎捻挫は腰の骨である腰椎の損傷というのが主な違いです。

 

同じ神経の損傷なので症状も非常によく似ており、腰椎捻挫では以下のような症状が出ます。なお腰椎捻挫は一般的に「ぎっくり腰」ともいわれます。

 

【腰椎捻挫の主な症状】

  • 軽い場合には腰の痛み(動くと酷い傷みが出ます)
  • ヘルニアや脊椎環境差苦笑を伴う場合、脚のしびれや痛みが生じるケースも多々あります

 

 

 

交通事故後、首や肩、背中や腕脚に痛みやしびれなどの症状を感じたら、むち打ちになっている可能性があるので、すぐに整形外科へ行きましょう。

 

1-4.要注意!むち打ちで重篤な症状が発症するケース

交通事故で「むち打ち」と診断されたとき、非常に重篤な症状が発生するケースがあります。内部の神経が酷く損傷していたり、脳や脊髄の障害が発生したりする可能性があるからです。

 

  • 激しい痛み
  • 四肢の麻痺
  • 排尿排便の障害
  • 視覚や聴覚、嗅覚、味覚などの感覚障害
  • 嚥下障害
  • 記憶力、認知力の低下
  • 性格の変化
  • 立ち上がったときのひどい頭痛

 

脊髄損傷や脳障害が発生すると、町中の整形外科クリニックでの対応は困難となります。

脊髄や脳神経の専門外来のある大きな病院を紹介してもらい、きちんと検査を受けましょう。

 

2.むち打ちで後遺障害等級認定を受けると賠償金が大幅にアップする

交通事故には「後遺障害等級認定」という制度があります。

これは、交通事故で残った後遺症を14段階の等級に分けて正式に「後遺障害」として認定する制度です。

 

交通事故でケガをすると、治療を受けても完治するとは限りません。目が見えなくなる、腕を失う、脳障害が発生するなどいろいろな後遺症が残る可能性があるでしょう。

また被害者は事故後も長期間辛い後遺症を抱えたまま生活しなければなりません。当然精神的苦痛も強くなります。

そこで、後遺症が残った被害者には残らなかった被害者よりも高額な賠償金が支払われる仕組みになっています。

 

むち打ちでも後遺障害認定を受けられる可能性があります。

 

2-1.後遺障害認定を受けたら支払われる2種類の賠償金

後遺障害認定を受けられると、以下の2種類の賠償金が支払われます。

  • 後遺障害慰謝料

交通事故で後遺障害が残ると、被害者は強い精神的苦痛を受けるので「慰謝料」が支払われます。これは通常の「入通院慰謝料」とは別計算となるので、後遺障害認定されると慰謝料額が大きくアップします。

 

  • 後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益は、後遺障害が残ったことによって働けなくなり、本来得られるはずだったのに得られなくなった収入に対する補償です。

 

後遺障害が残ると、人は以前と同じようには働けなくなるでしょう。労働能力が低下するため生涯収入が落ちると考えられます。そこでその低下した収入を「逸失利益」をして払ってもらえるのです。

 

後遺障害慰謝料も後遺障害逸失利益も、認定された「後遺障害の等級」によって大きく変わります。後遺障害には14段階の等級があるので、高額な支払を受けるためにはより高い等級を獲得する必要があります。

 

2-2.後遺障害の等級と後遺障害慰謝料の金額

参考までに後遺障害の等級ごとの後遺障害慰謝料の金額を示します。

 

  • 1級 2800万円
  • 2級 2370万円
  • 3級 1990万円
  • 4級 1670万円
  • 5級 1400万円
  • 6級 1180万円
  • 7級 1000万円
  • 8級 830万円
  • 9級 690万円
  • 10級 550万円
  • 11級 420万円
  • 12級 290万円
  • 13級 180万円
  • 14級 110万円

もっとも重症である1級が認定されると2800万円もの慰謝料が支払われます。

一方でもっとも軽傷の14級の場合には110万円程度です。

 

とはいえ、後遺障害が認定されなかったら以下の慰謝料は支払われず0円になってしまうので、たとえ低い等級であっても後遺障害認定を受けることは非常に重要といえるでしょう。

 

2-3.後遺障害逸失利益の金額

後遺障害逸失利益の金額も、認定された後遺障害の等級によって大きく異なります。

ただし逸失利益は被害者の年齢や事故前の年収によっても数字が違ってくるので、認定等級によって一律には計算できません。

 

概算でいうと、後遺障害1級となった場合には後遺障害逸失利益は1億円を超えるケースもあります。後遺障害12~14級の場合、数百万円程度になるケースが多いでしょう。

 

交通事故で後遺症が残ったら、慰謝料や逸失利益を受け取るために必ず後遺障害認定を受けるべきといえます。

 

 

3.むち打ちで認定される後遺障害等級は?

交通事故でむち打ちになったら、具体的に何級が認定される可能性があるのでしょうか?

 

むち打ちの症状の内容によっても異なりますが、認定される等級は12級13号または14級9号となるケースが多数です。

「頸椎捻挫」「外傷性頸部症候群」「頚椎症」といった診断されたときには14級9号、交通事故が原因の「外傷性ヘルニア」などを伴うケースでは12級13号が認定されることもあります。

※むち打ちになったら必ず後遺障害認定されるわけではありません。

 

適切に治療や検査を受けて正しい方法で後遺障害等級認定の手続きを進めることにより、はじめて等級認定を受けられるので、注意しましょう。

 

3-1.むちうちで認定される可能性の高い後遺障害等級

  • 12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」

12級13号は、むち打ちなどの神経症状の中でも、画像所見と神経学的検査などによって症状を医学的に証明できるケースで認定されます。

たとえばレントゲンやMRI、CTなどで明らかに外傷性の異常がみられる場合、12級13号が認定される可能性があります。

 

  • 14級9号「局部に神経症状を残すもの」

14級9号は、医学的には症状を立証できなくても被害者の訴える自覚症状に合致する症状が発生していると合理的に推認されるケースで認定されます。頸椎捻挫や外傷性頸部症候群と診断された場合でも、交通事故の内容や受傷時の状態、これまでの治療経過などの事情から実際にむち打ちの症状が出ていると考えられる場合、14級9号が認定される可能性があります。

 

3-2.12級と14級の違い

むち打ちで認定される可能性の高い後遺障害等級としては12級と14級がありますが、これらの何が違うのか、みてみましょう。

 

根本的な違いは「症状を医学的に証明できるかどうか」です。

医学的に証明できれば12級が認定される可能性もありますが、証明できなければ14級または非該当にしなります。まったく医学的な説明ができなければ「非該当」になる可能性も低くはありません。非該当とは「後遺障害に該当しない」という意味です。そうなったら後遺障害慰謝料も逸失利益も支払われません。

 

むち打ちを医学的に証明するには基本的に「画像検査」及び「神経学的検査」によって異常な箇所を明らかにする必要があります。

 

4.むち打ちで重要な画像検査とは

むち打ちの立証に有効な画像診断にはいろいろありますが、以下では代表的なものを示します。

 

  • レントゲン(X線検査)

レントゲンは一般的に広く利用されている画像検査方法です。主に骨折など骨の異常を確認することができます。

  • CT

CTもレントゲンと同様、放射線を使って体内の組織を確認する検査方法です。骨などの固い組織の異常を確認するのが目的です。

  • MRI

MRIは放射線を使わずに磁場を利用して体内の組織の状態を確認する検査方法です。レントゲンやCTとは異なり「軟部組織」の状態を確認できます。むち打ちでは骨折を伴わないケースがほとんどなので、MRIによる撮影結果が後遺障害等級認定における重要なファクターとなるケースが少なくありません。

 

画像検査を受けるときのポイント

むち打ちで後遺障害等級認定を受けるため、画像検査を実施してもらう際には以下のような点に注意しましょう。

必ずMRI撮影をしてもらう

MRI

 

画像検査の種類にはいくつかありますが、むち打ちでは「MRI撮影」による撮影結果が重要になります。

しかしクリニックによってはレントゲンやCTしか撮影してもらえないこともあります。

その場合にはMRIを揃えている医療機関へ転院をするか、紹介状を書いてもらうとよいでしょう。

精度の高い医療機器を使ってもらう

MRIの検査機器の性能にも注意を払うべきです。医療機器も機械なので、性能が様々だからです。

MRI検査機器の場合には画像の「精度」が異なり「テスラ」という単位で精度が表記されます。当然、精度の高いMRI撮影機器を使った方が、より正確に異常な箇所を把握できる可能性が高くなります。

現在、日本では0.2~3テスラのMRI検査機器が出回っており、主流は1.5または3テスラとなっています。1.5テスラより3テスラのものの方が精度は高いので、もしも1.5テスラのMRIで異常が写らなかった方も、3テスラのもので測定し直すとなにかしらの異常が見つかる可能性があります。

 

通っている医療機関で何テスラのMRI検査機器が使われているのかについても、留意してみてください。

 

5.むち打ちで有効な「神経学的検査」とは?

むち打ちになったとき、CTやMRI撮影を行っても必ずしも異常な箇所を確認できるとは限りません。その場合でも「神経学的検査」を実施することで、症状を証明できる可能性があります。

神経学的検査とは、首や肩を動かしたり反射機能や感覚機能を確認したりするテストです。

後遺障害等級認定の際にはこちらも重視されるので、むち打ちで後遺障害等級認定を受けるには、画像検査と併行して神経学的検査もしっかり実施してもらいましょう。

 

有効とされる神経学的検査には以下のような種類があります。

 

5-1.ジャクソン・テスト

ジャクソンテストは、患者が座った状態で医師が患者の頭の上に手を置いて下方へ圧迫する検査方法です。

首のあたりから背中、腕などにしびれや痛みを感じたら陽性(異常あり)と判定されます。

 

6-2.スパーリング・テスト

スパークリングテストは、患者に神経根の障害が発生していないかどうかを調べるために実施する検査です。

患者を座らせて頭を方向け、後ろから患者の首を下方へ圧迫します。

このとき、首から腕のあたりにかけて痛みやしびれなどを感じたら陽性と判定されます。

 

6-3.腱反射テスト

腱反射テスト(深部腱反射テスト)とは、専門の打腱器で健の部分を叩いて反射機能を確認するためのテストです。反射の異常には「反射の亢進(過剰に反射が起こる)」と「反射の低下(反射が起こらない、程度が低い)」の2種類があります。

反射は患者の意思によって操作できるものではないため、後遺障害認定の際にも他覚的所見として重視される傾向があります。

 

6-4.筋電図検査

筋電図検査は、筋肉の活動性を確認するための検査です。

むち打ちになると筋肉の活力が衰えるケースがあるので、筋電図検査によって状態を確認します。筋肉の機能が低下するパターンには「筋肉自体の疾患(筋肉疾患)」によって発生する場合と「神経からの刺激が伝わりにくくなる疾患(神経疾患)」によって発生する場合があります。

筋電図検査を行うと、その原因を特定できるので、むち打ちなどの神経疾患によって筋肉機能の低下が生じていることを証明するのに役立ちます。

 

また筋電図検査を実施するときには、細い針を筋肉に刺す「針電極法」という方法が用いられるケースが多数です。

 

6-5.徒手筋力検査

医師が患者に手で圧力を加えることにより、患者の筋力が低下しているかどうかを確認するためのテストです。

筋力の程度は一般的にグレード0からグレード5までの6段階によって評価されるケースが多数です。ただし医師によってはさらに細かく分類する方もおられます。

 

6-6.筋萎縮検査

筋萎縮検査は、筋肉の萎縮度合いを調べるための検査です。

むち打ちになると、腕や肩を動かしにくくなったり固定したりするので、腕の筋肉が失われて細くなってしまうケースが少なくありません。

そんなとき左右の腕の周囲の長さを計測して比較し、筋肉が萎縮していないかどうかを確認します。これが筋萎縮検査です。

 

筋萎縮は患者が操作できるものではないので、後遺障害等級認定の際に信用性の高い他覚所見と受け止められています。

 

またむち打ちの場合、14級が認定される程度であれば筋萎縮までは認められないケースが比較的多いのに対し、12級が認定されるレベルになると、筋萎縮が認められるケースも多くなってきます。

MRI撮影などで神経根の圧迫などの他覚的所見があるなら、積極的に筋萎縮検査を行って後遺障害診断書へその結果を記載してもらいましょう。

 

6-7.知覚検査

むち打ちになると感覚異常が生じる可能性もあります。ものを触ったときの感覚、温度感や痛覚などが鈍化するのです。

そこで知覚検査として、針や筆などで刺激を与え、痛覚や触覚、温度感、振動の感覚、位置感覚などが正常かどうかを検査します。

 

6-8.ラセーグ・テスト

 

ラセ-グテストを実施するときには、患者を仰向けに寝かせて股関節と膝関節を90度になるように曲げさせます。そして医師が、患者の膝を徐々に延ばしていきます。

このとき、太腿の裏側から下腿の後ろ側に疼痛を感じたら陽性と判定されます。

 

 

6-9.握力検査

むち打ちになると、筋力が低下するため握力も落ちる方がおられます。そのため神経学的検査の一環として握力検査を実施することもあります。

 

ただし握力検査は後遺障害等級認定の際にさほど重視されません。あくまで補充的な検査と考えましょう。

 

6-10.皮膚温検査

むち打ちになって神経に異常が生じると、稀に皮膚温にも変化が生じるケースがあります。

そうした症状が疑われる場合、神経学的検査として皮膚温検査を実施することも考えられます。

 

6-11.ホフマンテスト

ホフマン反射は「病的反射」を調べるための検査です。病的反射とは、正常な状態では発生しない反射をいいます。むち打ちによる神経異常の影響で、普段であれば起こらないはずの反射が発生してしまうのです。

ホフマンテストは、患者の中指を上から下にはじき、他の指が反射的に屈曲しないかどうかを調べる検査です。親指が曲がる場合には神経障害があると判断されます。

 

ホフマンテストによって病的反射が確認される場合、脊髄障害や錐体路障害などの重大な症状も疑われるので必要に応じて精密検査も受けましょう。

 

6-12.バビンスキーテスト

バビンスキーテストも病的反射を調べるための検査です。

患者の足を刺激したときに、親指がそり上がる屈曲が起こるかどうかをチェックします。

このテストも患者の恣意によって操作できるものではないので、信頼性が非常に高いと考えられています。

 

6-13.ワルテンベルグテスト

ワルテンベルグテストも病的反射テストの一種です。

ワルテンベルグ反射テストを行うときには、患者の手を開いて上に向かせ、指は少し曲げた状態にして、医師が患者の手指の掌側をゴムでできたハンマーで叩きます。

そのとき、患者の親指が内側へ曲がると「陽性」と判定されます。

ワルテンベルグテストで陽性反応が出ると「錐体路障害」が疑われます。

 

もう1つ、ワルテンベルグ徴候テストというものもあります。

これは、患者が親指以外の4本の指を曲げて、検査者(医師)とその指を引っ張り合う検査方法です。

患者の親指が内側へ曲がると陽性となり、やはり錐体路障害が疑われます。

 

 

6-14.トレナムーテスト

トレナムーテストは、患者の中指を掌側から弾いたときに、親指を含む指が屈曲反射するかどうかを確認する病的反射テストです。

 

6-15.神経学的検査を受けるときの注意点

上記のように神経学的検査には非常にさまざまな種類のものがあります。中には後遺障害等級認定で重視されるものもありますが、そうでないものも少なくありません。

たとえば反射テストや筋萎縮検査などの「患者の意思によって操作できない検査」の結果は信頼性が高いものと判断されやすいといえます。

一方で握力検査や知覚検査などは、患者が虚偽を述べることによって検査結果をある程度操作できる可能性があります。そういった検査結果については重視されにくいと考えましょう。

 

またケースによっても有効な検査方法が異なる可能性があります。むち打ちなどの神経症状に詳しい専門医からアドバイスを受けながら、必要充分な検査を実施してもらうことが重要といえるでしょう。

 

7.後遺障害診断書の重要性

交通事故で後遺症外等級認定を受けるには、必ず「後遺障害診断書」を提出しなければなりません。

後遺障害診断書の記載内容は、画像や神経学的検査の結果と同じくらい後遺障害等級認定の結果へ重大な影響を及ぼします。

 

以下で後遺障害診断書をどのようにして作成すればよいのか、認定を受けるためにはどのような工夫をすべきなのか、説明します。

 

7-1.後遺障害診断書とは

後遺障害診断書は、担当医が後遺障害の内容について記載する診断書です。

むち打ちの場合であれば検査結果や残っている症状の具体的内容、患者の自覚症状、今後の寛解見込みなどを記載します。

 

後遺障害診断書に書かれた内容によっては後遺障害が認定されなくなったり、認定等級を低くされたりする可能性もあるので注意しなければなりません。

 

たとえば「今後寛解見込みがある」と書かれると「後遺障害は残っていない」と判断されて非該当にされてしまうケースもあります。

 

また神経学的検査を行った場合には、後遺障害診断書にその結果を正確に記入してもらわねばなりません。

 

7-2.後遺障害診断書は医師が作成する

後遺障害診断書は交通事故の後遺障害認定結果に直結する重要な書類ですが、患者が自分で作成するものではありません。担当医に作成を依頼する必要があります。

医師は医学的な観点から正確に診断書を作成するので、内容面について患者が口出しすることは基本的にできません。たとえば「等級認定を受けるために有利な内容にしてほしい」といっても、実際の検査結果が陽性でなければ拒否をに書いてもらうのは不可能です。

 

的確な内容の後遺障害診断書を書いてもらう工夫

患者の立場からできるだけ効果的な後遺障害診断書を書いてもらうには、どのような点を工夫すればよいのでしょうか?

 

 

  • 自覚症状をわかりやすく伝える

後遺障害診断書には、患者自身が訴える「自覚症状」を記載する欄があり、ここについては患者がある程度コントロールできる可能性があります。

医師に正確に自覚症状を伝えるため、事前に普段感じている症状を紙に書いて医師にみてもらいましょう。

たとえば「手がしびれる」などの抽象的な記載ではなく「左腕の内側の肘部分から手首の部分にかけて痛みが出る」など、具体的に書くと症状を伝えやすくなります。

 

また日常生活でどういった不便があるのかを書くと、状況を理解してもらいやすいものです。たとえば「階段を上がるときに脚の痛みがあるので引きずってしまう」「首を動かすと痛いので、呼ばれても振り向くことができない」など、日常の出来事をふまえて書いてみてください。

 

  • 神経学的検査を受けて正確に結果を書いてもらう

むち打ちの後遺障害認定では神経学的検査の結果も重要です。必要充分な検査を受けてその結果を後遺障害診断書に反映してもらうのはもちろんのこと、「自覚症状と検査結果に整合性があること」を医師の意見として記載してもらうべきといえるでしょう。

たとえば反射テストで筋反射の低下が起こっているときに患者が「左の指先にしびれがある」などと訴えていれば、「検査結果と自覚症状に整合性が認められる」などのコメントを診断書に書き込んでもらうようにしてください。

 

  • 画像所見との整合性について記載してもらう

MRIなどで他覚所見が確認されても、それと自覚症状との間に整合性が認められなければ後遺障害認定されない可能性が高くなってしまいます。

医師にはできるだけ「画像所見の結果と自覚症状につながりがあると思われる」という意見を書いてもらうようにしましょう。

 

後遺障害認定を受けるために有利な診断書を書いてもらうには、日頃からしっかり医師とコミュニケーションをとり、症状の内容を理解してもらわねばなりません。

また医師自身のスキルや判断能力、交通事故の後遺障害等級認定制度への理解も必要です。

交通事故で通院する病院を選ぶときには、できるだけ交通事故の被害者に理解のある医師が所属する病院を選択すべきといえるでしょう。

 

7-3.後遺障害診断書の依頼時に弁護士に相談するメリット

後遺障害診断書作成の際に医師とのコミュニケーションが重要といっても、交通事故の被害者自身が医師に診断書作成に際しての希望事項を伝えるのは簡単ではありません。

被害者自身に後遺障害認定についての知識が不足しているのが通常ですし、医師と患者という立場の違いもあり、診断書の内容に口出しするのが難しくなりがちだからです。

 

医師に後遺障害診断書の作成を依頼するときには、弁護士に相談してみてください。交通事故にくわしい弁護士であれば、後遺障害診断書作成の際にどういった点に注意すべきか、どういった点を強調すべきかなど、的確に判断できるものです。

 

自分で医師に適切な後遺障害診断書作成の依頼ができる自信のない方は、まずは先に弁護士に相談して注意すべきポイントを確認しておくとよいでしょう。

 

8.むち打ちで後遺障害認定を受けるために重要なポイント

むち打ちになったときに後遺障害認定を受けるには、以下のような点が重要です。

 

8-1.しっかり通院実績を作る

まずは交通事故後、しっかり通院実績を積むことが重要です。

事故に遭うと、当初は頻繁に通院していてもだんだんと通わなくなる方が少なくありません。症状がだんだんと緩和されてきて、仕事や日常生活に戻らなければならないからです。

保険会社から「そろそろ治療は終わりましょう」などといわれて、まだ症状が残っているのに通院を辞めてしまう方もおられます。

 

しかしむち打ちで後遺障害認定を受けたければ、通院は定期的・継続的に続けなければなりません。

通院をやめてしまったら、その時点で「症状は完治した」と判断される可能性が高くなります。また通院頻度が落ちてくると「通院する必要性がなくなったのだから、この時点でほぼ寛解したのだろう」と思われるケースも少なくありません。

 

むち打ちの通院は「症状固定」するまで継続する

むち打ちで後遺障害認定を受けるには、「症状固定」するまである一定以上の頻度で通院を続けるべきです。症状固定とは「これ以上治療を続けても症状が改善されなくなった時点」を意味。

症状固定時期については医師が医学的な視点から判断するので、患者の考えで勝手に通院を辞めてはいけません。保険会社も症状固定時期を把握できるわけではないので、保険会社から「通院は終了しましょう」といわれても、鵜呑みにせずに医師の意見を聞いてから対応を判断しましょう。

 

通院頻度について

交通事故に遭ってむち打ちになった場合の通院頻度の目安をみてみましょう。

当初の3ヶ月程度は最低でも週3回程度は通院するようお勧めします。その後も週2回程度は通院やリハビリを続けるのが理想です。

 

また通院を軽視して10日や2週間など通院期間を空けると、後遺障害を否定されやすくなるのでくれぐれも注意してください。

 

なお天災や感染症などの影響でどうしても通院できなかった場合には、自賠責保険に事情を説明するための報告書を提出することで対応できる可能性があります。

  • 通院できなかった理由(天災や感染症の予防など)
  • 通院しなかった期間の症状の経過や内容(肩や背中の痛みが続いていた、腕のしびれが続いていたなど)
  • 症状の緩和に向けて自分なりに取り組んでいたこと(1回の通院時に薬を多めにもらっていた、仕事ができないので休業していた、医師の指示によってサポーターやマッサージ器具などを購入して対応していた、など)

 

上記のようなことを丁寧に記載して説明すれば、多少通院期間があいても後遺障害認定を受けられる可能性が高くなります。

 

報告書を作成するときには後遺障害についての専門知識が必要ですので、自己判断で書面を作成するのではなく弁護士までご相談ください。

 

8-2.一貫した症状を訴える

むち打ちで後遺障害認定を受けるためには、事故当時から受傷直後から症状固定するまで一貫した症状が連続している必要があります。途中で症状が消失したり変遷したりしていると、「その時点でむち打ちは完治したのではないか?」「その後の症状は交通事故とは関係のないものではないか?」などを思われる可能性があるので注意しましょう。

 

たとえば当初は「首の左側が痛い」と言っていたにもかかわらず、通院5ヶ月後くらいになると「首の右側が痛い」と言い出したり「首を動かしにくい」と症状を追加したりすると、不審に思われる可能性があります。

 

また安易に「痛くなくなった」と言ってしまうのも危険です。事故後3ヶ月くらいして「最近は痛みがありません」と言っていたにもかかわらず、次の通院時には「やっぱり痛いです」などと言っていると、「症状に一貫性がない」と判断されて後遺障害非該当とされる可能性が高くなってしまいます。

 

8-3.医師に上手に症状を伝えるコツ

医師にむち打ちの症状を伝えても、カルテなどの書類に記載してもらえなければ「症状は存在しない」のとみなされます。事故直後には急性の痛みや関節を動かしにくい症状、しびれ感などを漏れなく医師に伝えてカルテに記載してもらいましょう。当初に全部伝えられなくても、後に症状に気づいた時点でその都度伝えるようにしてください。遠慮する必要はありません。

 

また痛みやコリ、しびれなどの症状は、実際には日によって出たり出なかったりするでしょうし感じ方も異なる可能性があります。

 

ただ、たまたま診察日に痛みを感じなかったからといって「今日は痛くない」「最近は調子が良いです」などと告げるのは不適切です。「ときによっても異なりますが、痛みは断続的に続いています」などと伝えるのがよいでしょう。

 

9.むち打ちで後遺障害認定されないケース

以下のような場合、むち打ちになっても交通事故の後遺障害として認定されない可能性が高くなります。

9-1.事故態様が軽微

交通事故の程度が軽すぎると、後遺障害として認められにくくなります。

たとえば車同視が「コツン」とあたっただけで車もまったく損傷していないのに「ひどいむち打ちになって首を動かせない」などと言っても信じてもらいにくいでしょう。

後遺障害認定されるには、事故によってある程度身体に衝撃が生じる程度のものであることが必要です。

 

9-2.事故と症状に因果関係を認めにくい

交通事故によってある程度の衝撃を受けたとしても「症状と事故との間に因果関係を認めにくいケース」があります。

たとえば右手を挫傷した被害者が「事故後、しばらくすると左手が痛むようになった」といっても信じてもらえない可能性が高いでしょう。もしくは交通事故とは無関係な別のケガととらえられる可能性もあります。

 

9-3.通院していない

交通事故で後遺障害認定を受けるには、必ず「入通院治療」を受けなければなりません。

基本的に6ヶ月以上入通院治療を受けないと後遺障害等級認定の請求もできないので注意しましょう。

事故後、忙しいからといって通院せずに放置していると後遺障害認定はもちろんのこと、休業損害や慰謝料も払ってもらえません。

 

また交通事故から相当な日数が経ってからはじめて病院に行った場合にも後遺障害を否定される可能性が高くなります。たとえば事故の1ヶ月後に初めて整形外科へ行ったとしても「交通事故後に負った別のケガだろう」と思われるでしょう。

 

交通事故に遭って身体に痛みやしびれなどの症状が出ているなら、忙しくてもすぐに病院へ行ってください。

 

9-4.整骨院にしか行っていない

むち打ちになった方は、「整骨院」「鍼灸院」「マッサージ院」などに通われる方もたくさんおられます。ただ、事故後こういった治療院にしか通っていない場合、後遺障害認定されるのは難しくなるので注意しましょう。整骨院や鍼灸院、マッサージ院などの先生は「医師」ではないからです。整骨院の先生は「柔道整復師」、鍼灸院の先生は「鍼灸師」、マッサージ院の先生は「あんまマッサージ指圧師」という資格をもった方です。

医師ではないので検査や投薬、診療診察、治療行為はできません。

「整形外科」へ行かずこういった治療院にしか通っていないと後遺障害認定に必要な検査を受けられませんし、後遺障害診断書の作成も依頼できません。

 

交通事故に遭ったら必ず「整形外科」へ通いましょう。整骨院などに通いたい場合には整形外科での治療がある程度落ち着いた段階で、医師の同意を得た上で、その指示の元に通うようにしてください。

 

9-5.検査結果と自覚症状が一致していない

むち打ちで後遺障害が否定されやすいパターンとして「検査結果と自覚症状が一致していない」ケースも挙げられます。

 

よくあるのがMRIやCTなどで写っている他覚所見と異なる自覚症状があるケースです。

この場合、交通事故によって症状が発生していると言い切れないので因果関係が否定されて後遺障害認定を受けにくくなります。

 

この意味でも、思いつくままにその場で感じた自覚症状を医師に伝えるとリスクがあるといえるでしょう。ある程度長期的に続いている一貫した症状を伝える工夫が必要です。

 

9-6.ある程度強い症状でないと後遺障害は認定されない

交通事故で「後遺障害」と認定されるためには、症状がそれなりに重篤であることも要求されます。

「肩こりがひどい」「何となく1日中だるい、集中できない」「お腹がはる」という程度で「後遺障害」と認定されるのは困難と考えましょう。

 

9-7.ときどきしか症状が発現しないケース

むち打ちになると、「雨の日になると痛みが出る」「寒い日の症状が強くなる」など、特定の条件下において強い症状を自覚する方が少なくありません。

 

しかし、普段は症状が発生しないのに「雨の日だけ痛い」などと説明すると、後遺障害を否定されやすいので注意しましょう。後遺障害の症状として認定されるには、基本的に「常時発生している」ことが必要です。

もしも雨の日に調子が悪くなりやすいのであれば「(ふだんから症状はあるが)雨の日には特に強い痛みが出ます)などと説明するのがよいでしょう。

 

10.むち打ちで9級10号の認定を受けられる場合もある

交通事故でむち打ちになったとき、認定される後遺障害の等級はたいてい12級または14級です。

ただときには9級やそれ以上の認定を受けられる可能性もあるので知っておきましょう。

10-1.脊髄に損傷が及んでいる場合

重症のむち打ちとなった場合、脊髄にまで損傷が及ぶケースが稀に存在します。

首や腰の痛みにとどまらず、腕や脚の麻痺、筋力低下や歩行困難、排尿排便障害などが生じると、脊髄損傷している可能性があるのでしっかり検査してもらってください。

そういったケースでは腱反射検査や筋力テストでも異常を確認できるケースが多数です。

 

むち打ちで9級以上の高い等級の後遺障害認定を受けられるのは、以下のような場合です。

  • 症状が重篤で広い範囲に及んでいる
  • MRI、レントゲンなどの画像によって神経圧排所見が確認できる
  • 主要な神経学的検査を実施した結果、陽性反応が出ている

 

10-2.脊髄損傷となったら専門外来を受診する

脊髄損傷となった場合、近所の整形外科クリニックなどでは対応が難しくなる可能性が高いでしょう。脊髄専門外来のある病院を受診する必要があります。

 

交通事故の際に首や腰の骨のあたりに強い衝撃を感じ、その後身体のさまざまな部分に麻痺や痛み、感覚障害などが発生したらすぐに大病院の脊髄専門外来を探して受診してください。

 

11.後遺障害等級認定制度の2つの方法~事前認定と被害者請求とは?

むち打ちで後遺障害が残ったら、どのような手続きで後遺障害等級認定を受ければよいのでしょうか?

 

実は交通事故の後遺障害認定制度には「事前認定」と「被害者請求」の2種類があるので、以下でそれぞれご説明します。

 

11-1.事前認定

事前認定は、加害者の任意保険の担当者へ後遺障害診断書を送付し、具体的な手続きをほとんど任せる方法です。被害者は医師に後遺障害診断書の作成を依頼して任意保険の担当者に送るだけでよく、それ以外にすべきことはほぼありません。

申請後、2~3ヶ月程度で任意保険の担当者から結果が通知されます。

 

事前認定のメリットは、手続きが非常に簡単なことです。自分でほとんど何もする必要がなく、待っていれば結果が出ます。

 

しかし事前認定を利用すると、具体的にどのような方法で後遺障害認定の手続きが進められているのかまったく明らかになりません。そもそも加害者の任意保険会社は被害者と相対する立場ですから、被害者のために労力を費やして後遺障害認定を獲得しようと躍起になることはないでしょう。被害者に有利な資料を積極的に提出してもらうことなども期待しにくくなります。

 

 

11-2.被害者請求

被害者請求は、被害者自身が加害者の自賠責保険に対して直接後遺障害等級認定請求をする方法です。

被害者請求をするときには、被害者がさまざまな書類や資料を集めて相手の自賠責保険へ送らねばなりません。

  • 保険金請求書
  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 休業損害証明書
  • 交通費の明細所
  • 診断書
  • 診療報酬明細所
  • 後遺障害診断書
  • 画像などの検査結果資料

被害者自身が作成しなければならない資料もあり、ご本人にとってはハードルが高くなりがちです。

また請求後も自賠責保険や調査事務所などとやり取りが発生する可能性があり、情報照会などを受けるとその都度対応しなければなりません。

 

被害者請求のメリット

このように被害者請求は面倒ですが、大きなメリットもあります。それは被害者自身が被害者にとって有利な資料を提出したり意見を出したりしやすいことです。

医師に積極的な意見書を書いてもらって提出することもできますし、自分の陳述書や弁護士による意見書、また追加で検査を行って提出することも可能です。

調査事務所から問い合わせがあれば、自分できちんと説明できるので、手続きの透明性も確保されるでしょう。

 

11-3.むち打ちでは事前認定と被害者請求のどちらを選ぶべきか?

交通事故でむち打ちになったとき、事前認定と被害者請求のどちらの方法で後遺障害等級認定を進めるのがよいのでしょうか?

 

状況にもよりますが、被害者請求をする方が効果的と考えられるケースが多数です。

14級を目指す場合

むち打ちで14級を目指す場合、画像によって他覚所見の証明ができません。被害者の説明や後遺障害診断書により、症状が存在することを合理的に説明する必要があります。

こういった対応を相手の任意保険担当者に任せたとき、どこまできちんと対処してくれるか大きな疑問が残るでしょう。

 

12級を目指す場合

12級を目指す場合も同様です。

確かに12級の場合には画像所見がある分、14級のケースよりは客観性が保たれやすいといえます。しかし画像所見があるからといって12級が認定されるとは限りません。

「画像所見と受傷内容に整合性がない」「画像所見と自覚症状が合っていない」「画像におけるヘルニアの所見は加齢によるものであり、交通事故とは関係がない」などといわれて後遺障害を否定されるケースも珍しくないのです。

 

やはり被害者請求の方法を用いて自分で説明、立証する必要があるといえるでしょう。

 

11-4.被害者請求を効果的に活用する方法

被害者請求には大変な手間がかかる上、自賠責の調査事務所とのやり取りも発生するため「自分1人で進めるのは難しい」と感じる被害者の方がほとんどです。

 

そこでむち打ちで後遺障害認定を受ける際には弁護士に依頼しましょう。

弁護士に任せると、書類のとりまとめや自賠責保険への申請、その後の調査事務所とのやり取りなどすべて任せられます。

医師とコミュニケーションをとって後遺障害診断書の書き方を伝えてもらったり、むち打ちの後遺障害認定で必要な検査について指示を受けられたりするので、より効果的に高い等級の認定を受けやすくなる効果も期待できます。

 

むち打ちになって「因果関係」や「症状の内容、程度」などの点で問題があり、後遺障害認定されるかどうか微妙な案件では、事前認定では不安が残ります。弁護士に被害者請求の方法で後遺障害等級認定を勧めてもらうのがベストといえるでしょう。

 

12.むち打ちで後遺障害非該当となったり等級が低くなったりした場合の「異議申立」とは?

むち打ちになって後遺障害等級認定の申請をしても、必ず期待したとおりの等級が認定されるとは限りません。

ときには「非該当」となったり期待していたより等級が低くなったりするものです。

そういったケースでは、以下のように対応しましょう。

 

12-1.異議申立

後遺障害等級認定の結果に納得できない場合、被害者は「異議申立」ができます。

異議申立とは、自賠責保険に対して再度後遺障害等級認定についての審査を求める方法です。

納得できない理由や等級を変更すべき理由などを「異議申立書」に記入し、自賠責保険へ送付すれば再度申し立て内容を審理してもらえます。その結果、認定を変更すべきと判断されれば後遺障害認定を受けられたり、等級を上げてもらえたりする可能性があります。

 

ただし異議申立に対する判断を行うのは、一度目の申請先と同じ「自賠責保険(共済)」であることには注意しなければなりません。判断機関が同じなので、一度目と同じ申請方法を行っても判断内容が変わる可能性はほぼないと考えましょう。

異議申立によって結論を変更してもらいたい場合には、新たな「医証」の準備が必須となります。

 

医証とは

医証とは、医療的な資料のことです。たとえば診断書や画像検査結果、神経学的検査の結果、医師の意見書などが医証となります。

後遺障害等級認定の結果を変えたい場合、まずは後遺障害診断書の書き直しが必須となるでしょう。

まずは一度目の内容にどういった問題があったのかを確認し、適切な内容に変更してもらって後遺障害診断書を書き直していただく必要があります。

ただし「虚偽」を書いてもらうことはもちろんできません。あくまで「一度目の診断書に不足していた部分」「補足した方が良い部分」「誤解を与える表現」などを手直しする、という意味です。

 

また神経学的検査などの必要な検査が足りていない場合には、あらためて検査を実施してもらいましょう。もしも今通っている病院で必要な検査を受けられないなら、別の病院で対応をお願いしてみてください。

 

12-2.異議申立を被害者請求で行う

異議申立によって後遺障害等級認定の結果を変更してもらいたい場合には、被害者請求の方法を利用するよう強くお勧めします。異議申立の際にも事前認定を利用すると、相手の保険会社の担当者が積極的に等級変更を求める活動をしてくれるとは期待できません。

 

1度目に任意保険会社に任せて事前認定を利用した場合でも、異議申立の際には被害者請求に変更できます。

もしも1度目の申請の際にご自身で対応して相手の保険会社に後遺障害等級認定の申請を任せてしまった方がおられましたら、お早めに弁護士までご相談ください。

 

12-3.異議申立の期間や回数について

異議申立には、期間制限はありません。

1度目の結果が出たあと、示談が成立するまでの間であればいつ自賠責に申立をしてもかまいません。

ただタイミングが遅くなると示談交渉が進んでしまい、時期を逸してしまうでしょう。後遺障害等級認定の結果が出たら、なるべく早めに必要な資料を集めて示談交渉開始前に異議申立を行うようお勧めします。

 

異議申立の回数にも制限はありません。

ただ、判断するのが同じ自賠責保険ですので、同じ方法であれば何度手続きをしても同じ結果になる可能性が濃厚です。何度も異議申立をすることは考えず、1回で結果を変更させるために必要な対応をとるべきといえます。

 

13.自賠責保険共済紛争処理機構

異議申立に対する判断はあくまで1度目の判断をしたのと同じ自賠責保険や共済が行うため、等級や決定内容が変更される可能性は高いとはいえません。

異議申立が通らなかった場合には、どうやって争えばよいのでしょうか?

 

この場合「自賠責保険・共済紛争処理機構」というADRを利用する方法があります。

自賠責保険・共済紛争処理機構とは、交通事故の被害者と自賠責保険や共済との間で生じたトラブルを仲裁するためのADRです。

 

※ADR…裁判害の紛争処理機関。裁判所を使わずに民間組織や行政組織を介して話し合いや審査によってトラブルを解決する。

 

自賠責保険・共済紛争処理機構は、自賠責保険や共済とは異なる第三者機関なので、自賠責保険とは異なる視点から後遺障害についての判断をしてくれます。自賠責で非該当とされた場合であっても決定内容を変更してもらえる可能性はありますし、14級だった認定を12級に上げてもらえる可能性もあります。

 

また自賠責保険・共済紛争処理機構で出た判断に対し、自賠責保険や共済は従わねばなりません。判断内容が変更されたとき、相手の方から異議申立はできないのです。一方で被害者側は、内容に納得できなければ従う必要はありません。

この意味でも、自賠責保険・共済紛争処理機構は被害者に有利といえます。

 

ただし自賠責保険・共済紛争処理機構での「調停」は、書面審理が原則です。当時者が実際にどこかの場所へ出頭して意見を述べたり話し合ったりする機会はもうけられません。

認定結果を変えてもらうには、やはり根拠となる医証の準備が必須となります。

 

また自賠責保険・共済紛争処理機構で審理をしてもらえるのは、同じ紛争については1回のみです。

ご自身だけで対応すると不安が残るので、こちらでの調停を利用したい場合には弁護士に相談するとよいでしょう。

 

14.訴訟(裁判)で後遺障害認定してもらう

自賠責保険に対して異議申立を行っても自賠責保険・共済紛争処理機構を利用しても後遺障害認定の結果が変わらなかった場合、むち打ちの後遺障害認定はあきらめるしかないのでしょうか?

 

そのようなことはありません。最終的に「訴訟」をすれば、裁判所によって後遺障害認定の結果を変えてもらえる可能性があります。

 

裁判所は他の組織から完全に独立している司法機関なので、自賠責保険(共済)や自賠責保険・共済紛争処理機構で行われた判断には拘束されません。実際にむち打ちの被害者のケースにおいて訴訟を行い、14級や12級の認定を受けられるケースも珍しくはありません。

 

むち打ち以外にも骨折や脊髄損傷、外貌醜状など別の後遺症が残っていれば、より高い等級の後遺障害認定を受けられる可能性もあります。

 

なお訴訟を起こす前に異議申立や自賠責保険・共済紛争処理機構を利用する必要はありません。自賠責の判断に納得できないとき、すぐに訴訟を起こすことも可能です。

 

訴訟を起こす際の注意点

訴訟によって後遺障害についての認定をしてもらいたいときにも注意点があります。

訴訟は示談とは異なり、話し合いの手続きではありません。

当事者が提出した証拠や法律的な主張にもとづいて、裁判所が一方的に判決を下します。

適切な資料を提出し、法律的に正しい主張をしなければ敗訴してしまう可能性が高くなることは想像に難くありません。

 

特に保険会社を相手に訴訟するときには、相手は確実に顧問弁護士を立ててきます。

こちらが弁護士をつけずに1人で対応すると極めて不利になってしまうでしょう。

勝てるはずの訴訟にも負けてしまうリスクが高まります。

 

 

訴訟によって後遺障害の等級を変えてもらいたいとき、非該当の結果を変更してもらいたいときには、必ず交通事故に詳しい弁護士に依頼してください。

弁護士が適切な証拠を集めて被害者の主張を代弁することにより、はじめて後遺障害認定を受けられる可能性が高くなるものです。

 

15.むち打ちで後遺障害認定を受けたいとき、弁護士に依頼すべき理由

交通事故でむち打ちになり後遺障害認定を受けたいときには、弁護士に依頼しましょう。

15-1.専門知識とスキルが必要

むち打ちは、交通事故後の被害者に非常に多い傷病ですが、むち打ちになったからといって必ず後遺障害認定を受けられるわけではありません。むしろ「非該当」とされるケースが多数と言っても良い状況です。

理由は、多くの被害者の方が後遺障害認定の制度について知識を持たず、任意保険会社に事前認定を任せてしまうため。特にMRIなどで画像による症状の立証が不可能な方の場合、「合理的な説明」が求められるので、相手に任せていると認定を受けるハードルは大きく上がるでしょう。こうした微妙な事案では、後遺障害等級認定についての専門知識とスキルをもった弁護士に依頼しなければ、認定を受けるのが難しくなります。

 

また後遺障害等級認定手続きは「傷病」や「検査」についての判断ですので、法律知識だけではなく医学的な知識も要求されます。適切な認定を受けるには、法律と医学の知識を持ち医師とも連携できる弁護士の力が必要といえるでしょう。

 

1人で進めるより後遺障害に関する知識やスキル、経験を蓄積している弁護士に依頼した方が有利になりやすいといえます。

 

15-2.労力がかからない

後遺障害等級認定の手続きを被害者請求の方法で進めようとすると、大変な労力がかかります。

自分で対応すると手間がかかりすぎるので、諦めてしまう方も少なくありません。

弁護士に任せてしまえば被害者自身はほとんど何もしなくて良くなるので、大きく手間を省けます。その分、日常生活や仕事に注力することができるでしょう。

 

15-3.ストレスがかからない

交通事故後の後遺障害認定や保険会社とのやり取りには非常にストレスがかかるものです。

被害者の中には、相手の保険会社との示談交渉を苦痛に感じるあまり、適当な条件で妥協し示談を成立させてしまう方も少なくありません。

 

しかしそのようなことをすると、後になって「あのとき本当はもっと高額な賠償金を獲得できたのに」と後悔してしまいます。1度示談書を作成してしまったら、そう簡単には取消ができません。

 

弁護士に依頼すると自分では相手の保険会社と交渉する必要がなく、面倒な後遺障害認定などの手続きもしなくて良いのでストレスが大きく軽減されます。気持ちが楽になるので不利な条件で妥協する必要もなく、最大限有利になる条件を目指して粘り強く交渉することができるでしょう。

 

ストレスがかからないこと、有利な条件で解決しやすいことも弁護士に依頼するメリットといえます。

 

15-4.賠償金が大幅にアップする

むち打ちで後遺障害が残った場合、弁護士に示談交渉を依頼すると賠償金額が大幅にアップする可能性が高くなります。

交通事故の賠償金計算基準には以下の3種類があり、それぞれによって金額が異なるためです。

  • 自賠責基準

自賠責保険が保険金を計算する際に適用する基準です。金額的には3つの基準の中でもっとも低額になります。

  • 任意保険基準

各任意保険会社が独自に定めている基準です。自賠責基準に少し色をつけた程度の金額になるケースが多数です。

  • 弁護士基準

法的に適正とされる基準です。弁護士が示談交渉をするときや裁判所が賠償金を計算するときに利用します。金額的には3つの中でもっとも高額です。

 

むち打ちの後遺障害慰謝料はどのくらい増額されるのか?

むち打ちで後遺障害認定を受けたときに弁護士に依頼するとどのくらい慰謝料が増額されるのか、みてみましょう。

  • 14級の場合

14級が認定された場合、任意保険基準では後遺障害慰謝料が40万円程度とされるケースが多数です。これに対し弁護士基準の場合、110万円程度にまで上がります。

弁護士に依頼すると70万円程度、約3倍にまで後遺障害慰謝料が増額される計算となります。

 

  • 12級の場合

12級が認定された場合、任意保険基準では後遺障害医が100万円程度とされるケースが多数です。一方弁護士基準の場合には290万円程度が相場とされます。金額的には190万円の増額、倍率にすると約3倍にまで後遺障害慰謝料がアップする可能性があるといえるでしょう。

 

 

資料を揃えてやっとの思いで後遺障害認定を受けられたとしても、自分で示談交渉をすると低額な任意保険基準を適用されるためあまり高額な慰謝料は期待できません。

正当な計算基準である弁護士基準を適用してもらうためにも、示談交渉は弁護士に依頼しましょう。

 

16.横浜クレヨン法律事務所の強み

当事務所では、特に交通事故案件に力を入れて取り組んでいます。

 

横浜でも日々交通事故が発生しており、突然の出来事に戸惑ってしまう被害者さまが少なくありません。またむち打ちになり、痛みやしびれなどの症状を抱えているけれども保険会社との示談交渉を進めなければならなかったり後遺障害を否定されたりして、納得しがたい思いを抱える方も多数おられます。

 

横浜クレヨン法律事務所では、かねてからむち打ちになった被害者さまが適正な補償を受けられていない現状を問題視しており、こうした状況を打開するために法的支援に取り組んでいます。

 

これまで多くのむち打ちの被害者さまからご相談をお受けして後遺障害等級認定や示談交渉を代行し、高額な賠償金を獲得して参りました。弁護士費用を差し引いても被害者様に大きな利益が残る費用体系とさせていただいておりますし、弁護士費用特約を利用される方であれば負担はほとんどのケースで0円となります。

 

横浜や神奈川県界隈で交通事故に合われてむち打ちに苦しんでいる方がおられましたら、まずはお気軽にご相談ください。