交差点上では、交通事故が非常に発生しやすい傾向があります。 「信号機のある交差点」で、「直進車同士」が接触してしまった交通事故では、お互いがどのくらいの過失割合になるのでしょうか?

信号機の色ごとに、基本の過失割合と修正要素を加味した割合を弁護士が解説します。

 

1.青信号車と赤信号車の接触事故

青信号と赤信号の接触事故

 

1-1  基本の過失割合

青信号車:赤信号車=0%:100%

青信号車と赤信号車が接触した場合、青信号車の過失割合が0%、赤信号車の過失割合が100%となります。
道路交通法は、「歩行者や車両は信号機の指示に従わねばならない」と規定しています(7条)。
そこで、信号機の指示を守らず赤信号で交差点に進入した赤信号車には大きな過失が認められます。
青信号車は信号機による指示を守っており違反がないので、過失割合が認められません。
よって青信号車の過失割合は0%、赤信号車の過失割合が100%となります。

 

1-2  事故の個別事情に応じて修正される可能性

基本の過失割合は、事故の個別事情に応じて修正される可能性があります。過失割合に影響を与える事情を「修正要素」といいます。

赤信号車と青信号車の接触事故における修正要素として、以下のようなものがあります。

四輪車同士の自動車事故 過失割合 青信号と赤信号の修正要素

2.黄信号車と赤信号車の接触事故

黄信号車と赤信号車の接触事故

 

2-1.基本の過失割合

黄信号車:赤信号車=20%:80%

黄信号車と赤信号車が接触した場合の基本の過失割合は、黄信号車が20%、赤信号車が80%となります。
道路交通法は、黄信号の場合には原則として「停止位置を超えて進行してはならない」と規定しています。
黄信号でも交差点に進入しても良いのは、急に停止すると危険が発生する場合のみです。
このように、道路交通法は「黄信号でも原則として停止しなければならない」と規定しているので、黄信号で直進した車にも過失割合が認められます。
ただ相手が赤信号であれば、赤信号車の過失割合の方が大きくなるでしょう。
そこで基本の過失割合としては、黄信号車が20%、赤信号車が80%となります。

 

2-2.黄信号車にスマホのながら運転、前方不注視があったら?

黄信号車と赤信号車の接触事故にも個別事情にもとづく修正要素が適用されます。

黄信号車と赤信号車の接触事故の修正要素

3.赤信号車同士の接触事故

赤信号車の接触事故

3-1  基本の過失割合

赤信号車:赤信号車=50%:50%

信号機のある交差点で直進する赤信号車同士が接触した場合、お互いの過失割合は50%ずつとなります。
道路交通法上、車両は信号機による指示に従わねばならない絶対的な義務を負います(道路交通法7条)。
前方の信号機の色が赤であるにもかかわらず直進すると、明らかな道路交通法違反となるので大きな過失割合が認められます。 ただし双方とも赤信号の場合、双方に同様の過失があるといえるでしょう。
どちらにも優劣を付けられないので、お互いの過失割合が50%ずつになります。

 

3-2  赤信号同士の交通事故でも加算されることがあります

赤信号車同士の接触事故 修正要素


交通事故の過失割合に疑問があれば弁護士に相談を

交通事故の示談交渉時には、被害者と加害者とで過失割合についての意見が合わず、トラブルになる事例が多々あります。被害者が自分で示談交渉に対応すると、保険会社側から過大な過失割合をあてはめられてしまうケースも少なくありません。
修正要素を適用すべきケースで適用せず、被害者の過失割合が高めにされる事例も多いので、注意が必要です。
過失割合に納得できない場合には、示談してしまう前に弁護士に相談しましょう。
弁護士が適切な割合を算定し、保険会社と示談交渉を進めて被害者の権利を守ります。
横浜で交通事故に遭い、過失割合について疑問のある方は、お早めに横浜クレヨン法律事務所までご相談ください。