第1章 最初に知っておきたい。交通事故を弁護士に相談するメリットとは?

交通事故に遭ったとき、デメリットやリスクが心配で弁護士に相談できない方が少なくありません。
しかし実際には弁護士に相談すると、いろいろなメリットがあります。
デメリットを上回るメリットを得られるケースが多いので、まずは相談するメリットを確認しましょう。

1-1.適切な行動をとれる

1つ目のメリットは、弁護士のアドバイスによって適切な行動をとれるようになることです。
多くの方にとって、交通事故は初めての経験でしょう。事故後、どのような対応をしたらよいのか判断できない方も少なくありません。
たとえばどのような病院へ行けば良いのか、いつまで治療を続けるのか、いつ頃示談交渉を始めたらよいのか、示談金はいつ頃もらえるのかなど知りたい方が多いものです。

弁護士に相談すると、交通事故に関する疑問に答えてもらえてとるべき対応についても教えてもらえます。個別状況に応じて適切な行動をとれるので、将来示談交渉する際などに有利に進めやすくなるメリットがあります。

1-2.流れがわかって安心できる

交通事故に遭うと、今後どのような流れで示談や損害賠償などの手続きが進んでいくのか不安に思うものです。
しかし示談の流れや期間は事故によって異なり、一律ではありません。自分で調べても限界があるでしょう。
弁護士に相談すると、個々の事案ごとに示談までの流れや示談金の見込額、相場などを教えてもらえます。
流れや見込みがわかれば安心して生活しやすくなるメリットがあります。

1-3.示談で賠償金が増額される

交通事故の示談金(保険金)は、被害者が自分で示談交渉するケースと弁護士が対応するケースとで大きく異なる可能性があります。
被害者が交渉すると低額な「任意保険基準」が適用されるのに対し、弁護士に依頼すると高額な「弁護士基準」が適用されるためです。
特に事故のケガによる治療期間が長くなったケースや後遺障害が残ったケースなど重症の事案において差額が大きくなる傾向があります。
示談交渉を依頼すると保険金が増額されることも、弁護士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。

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1-4.過失割合が適正になりやすい

交通事故の示談交渉では、被害者と加害者との間で「過失割合」について争いが生じるケースが多々あります。
過失割合とは、事故発生に対するお互いの責任割合です。過失割合が高くなると「過失相殺」されるので、相手に請求できる金額を減らされてしまいます。
被害者にとってはできるだけ過失割合を少なくしてもらうことが重要といえるでしょう。
ところが被害者が自分で交渉すると、保険会社は被害者の過失割合を高めに設定してくるケースも少なくありません。そのまま受け入れると損をしてしまいます。
弁護士に相談すると弁護士が事故ごとの適正な過失割合を示してくれるので、被害者が不利益を受けるおそれが低下するメリットがあります。

また被害者が自分で保険会社と交渉しても保険会社が適正な過失割合を受け入れない場合には、弁護士へ示談交渉を依頼できます。弁護士が対応すると保険会社も適正な過失割合を受け入れやすくなりますし、どうしても合意できなければ裁判で過失割合を決めてもらうことも可能です。

過失割合が適正になりやすい点も弁護士に相談するメリットといえるでしょう。

1-5.適正な等級の後遺障害認定を受けやすくなる

交通事故でなるべく高額な補償を受けるには、後遺障害等級認定が非常に重要です。
後遺障害等級認定とは、後遺症が残ったときに正式に「後遺障害」として認めてもらい、症状の程度に応じた等級をつける手続きです。

後遺障害等級認定を受けると等級に応じた「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」が支払われるので、賠償金が大きく増額されます。

ただ被害者が後遺障害等級認定を受けようとしても、適切に資料収集などができずに失敗してしまうケースが少なくありません。相手の保険会社に任せる「事前認定」という手続きをとる方が多いのですが、それではむちうちなどの場合に対応が不十分となりやすいのです。

弁護士に相談すれば、症状の内容に応じて最適な方法で後遺障害等級認定の手続きを進めてもらえます。被害者が自分で手続きをして失敗したケースでも弁護士が「異議申し立て」を行って等級をつけてもらえる可能性があります。

後遺障害等級認定を受けやすくなって賠償金の増額を狙える点も、弁護士に相談するメリットといえるでしょう。

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1-6.手間や時間を節約できる

りにも時間をとられますし、交通事故の賠償金計算方法について調べるのも簡単ではありません。
被害者が自分で対応しようとすると、負担が大きくなってしまうでしょう。

弁護士に示談交渉を任せてしまえば、被害者自身はほとんど何もしなくてかまいません。
貴重な労力や時間を節約できるメリットがあるといえます。

1-7.ストレスがかからない

交通事故後の加害者側保険会社とのやり取りは、被害者にとって非常にストレスフルです。
相手の担当者の態度が悪い、連絡がつきにくい、高圧的に低額な慰謝料を押し付けてくるなど、さまざまな事例があります。

弁護士に示談交渉を任せてしまったら、被害者が自分で相手の保険会社担当者と話す必要はありません。無駄に気持ちを煩わされずに治療や日常生活、仕事などに専念できます。

ストレスを大きく軽減できることも弁護士に相談・依頼するメリットといえるでしょう。

弁護士に交通事故を相談するとこういったたくさんのメリットがあるので、まだ相談したことのない方はぜひとも一度、利用してみてください。

第2章 交通事故を弁護士に相談するデメリットとは?

交通事故について弁護士に相談するとデメリットはあるのでしょうか?

2-1.弁護士費用がかかる

もっとも大きなデメリットは「弁護士費用がかかる」点でしょう。
弁護士には相談するだけで費用がかかりますし、示談交渉や後遺障害等級認定などを依頼するとさらに高額な費用が発生します。

弁護士費用を差し引いても利益が出るならデメリットにならない

ただ弁護士に依頼すると賠償金が大きく増額されるので、弁護士費用を差し引いても利益が出るケースが多々あります。その場合、弁護士費用がデメリットとはいえません。

たとえば弁護士に依頼して賠償金が500万円増額され、弁護士が80万円かかったとしましょう。この場合、差し引きしても420万円得になるので、弁護士費用はデメリットになっていません。

弁護士費用が無料になるケース

弁護士費用は無料になるケースもよくあります。

無料相談を利用する

法律相談を無料で受け付けている弁護士事務所を利用すれば、相談費用はかかりません。

完全成功報酬制の事務所を利用する

完全成功報酬制の事務所を利用すれば、保険金が増額されなくても費用倒れの心配はほぼありません。

完全成功報酬制とは、着手金なしで賠償金が増額された場合にのみ増額された金額に応じて報酬金が発生する費用体系です。増額されなければ費用は発生しないので、足が出る心配がありません。

弁護士費用特約を適用する

弁護士費用特約を適用できる場合には、相談料も着手金・報酬金も完全に無料となるケースが多数です。この場合、増額された賠償金から弁護士費用分の差し引きされません。

以上のように弁護士費用については無料になるケースも多いので、費用のデメリットが気になる方はぜひ上記のような方法を検討してみてください

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2-2.手間がかかる、良い弁護士が見つかるとは限らない

交通事故の相談を弁護士にしようとすると、弁護士を探さねばなりません。法律事務所に行かねばならないので、時間や労力もとられてしまいます。
相談した弁護士が良い弁護士なら問題ありませんが、必ずしも交通事故に詳しく親切な弁護士にあたるとは限らないでしょう。

相談や依頼に手間や時間がかかること、良い弁護士が見つかるとは限らないことも弁護士相談のデメリットといえます。

2-3.弁護士相談に関するよくある誤解

無理な勧誘はない

弁護士に相談しても、示談交渉などの具体的な手続きを依頼する必要はありません。相談だけで終わっても問題ないのです。

  • 相談だけで終わると申し訳ないのではないか
  • 依頼しないと後日に勧誘が来るのではないか

など心配される方もいますが、杞憂です。弁護士から後日に勧誘の電話やDMなどが来ることはほとんどありません。相談だけで終わって依頼しない人もたくさんいるので、申し訳ないと思う必要もありません。

相談の秘密は守られる

交通事故などの相談をするときには、さまざまなプライベートな事情を話さねばならないケースが多いでしょう。
「誰かに内容を話されたら困る」と考える方もいます。
弁護士には守秘義務が課されるので、相談された内容を弁護士が誰かに話すことはありません。たとえ家族であっても弁護士は相談内容を話しません。秘密は守られるので、安心して相談しましょう。

第3章 交通事故の慰謝料が変わる要因とは?

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると、被害者が自分で対応するより大幅に増額される例が多数です。
以下では弁護士に依頼するだけで交通事故の慰謝料がなぜ増額されるのか、ご説明します。

3-1.適用する基準が異なる

交通事故の賠償金計算基準には「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3種類があります。弁護士が示談交渉を担当する場合にはもっとも高額な弁護士基準が適用されるので、賠償金が増額される事例が多くなります。

以下でそれぞれの基準の意味や概要をみてみましょう。

3-2.自賠責保険の場合

自賠責保険では「自賠責基準」によって賠償金を計算します。
自賠責基準は国土交通省が定めている一律の基準なので、どこの自賠責保険会社でも計算結果が同じになります。
3つの基準の中では通常もっとも低額です。
自賠責保険からはさほど高額な補償を受けられないと考えましょう。

3-3.任意保険の場合

任意保険では、独自の任意保険基準が適用されます。
任意保険基準は、それぞれの任意保険会社が定めているので各保険会社によって異なります。
金額的には自賠責保険よりは多少高い、といった程度の保険会社が多数です。

3-4.弁護士の場合

弁護士が示談交渉する場合には、もっとも高額で法的根拠のある「弁護士基準」を適用します。
被害者が自分で示談交渉すると低額な任意保険基準が適用されますが、弁護士に依頼すると計算基準が弁護士基準に変わります。そこで弁護士に依頼すると、賠償金が大幅にアップするのです。

なお弁護士が介入すると弁護士基準が適用されるだけではなく、過失割合が適正になったり後遺障害等級認定を受けられたりして、賠償金が大幅に増額される事例も多々あります。

第4章 交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼し増額された実例

横断歩道を渡っている最中、交差点に入ってきた車に接触した50代女性の方の交通事故です。女性は「むちうち」になってしまいました。
ただ弁護士に依頼する前に自分で対応しており、事前認定によって後遺障害「非該当」と認定されていました。
弁護士に異議申し立てを依頼したところ、弁護士が適切な資料を取りそろえて12級を獲得できました。結果的に示談金が700万円ほど増額されたケースです。

第5章 示談が成立してからでは遅い

「交通事故で弁護士に相談するタイミングは、いつが良いのか?」と迷う方もおられます。

「示談が成立してから相談すればよい」という考えは危険です。
以下のような理由から、いったん示談が成立してしまったら弁護士に相談しても遅いケースがほとんどだからです。

5-1.示談のやり直しはできない

示談は被害者と加害者の間における一種の契約です。いったん示談した以上、一方当事者の都合で破棄できません。
示談のやり直しは基本的にできないのです。

示談が成立した後で弁護士に相談して「法的に適正な賠償金より低い」とわかっても、増額してもらうのは基本的に不可能と考えましょう。

弁護士に相談や依頼をするなら、示談成立前に対応する必要があります。

5-2.示談をやり直せるケースとは

例外的にいったん成立した示談をやり直せるのは以下のような場合に限定されます。

詐欺や強迫、錯誤

加害者によって詐欺や強迫されたために示談してしまったら、取消しによって示談のやり直しができます。ただ保険会社が詐欺や強迫をすることはほとんど考えられないので、この方法で示談をやり直すのは困難でしょう。
被害者が示談の根本的な点について勘違い(錯誤)していたら、やはり示談を取り消せる可能性があります。ただ「相場より低かった」だけでは錯誤にならないのでやり直しはできません。現実的に錯誤で取り消しできるケースも極めて少数なので、期待すべきではありません。

公序良俗違反

示談内容が公序良俗違反の場合、無効になります。
ただ相手が保険会社の場合、示談内容が公序良俗違反になることは考えにくいでしょう。
公序良俗違反で示談をやり直すことについても期待をかけるべきではありません。

合意して決め直す

被害者と加害者がお互いに合意をして示談をやり直すなら、再度の協議や取り決めが可能です。
ただ保険会社が相手の場合、再協議に応じてもらえる可能性はほとんどないといって良いでしょう。やはり示談のやり直しに期待をかけるべきではありません。

いったん示談してしまったら、やり直しは極めて困難です。有利に解決したい場合や知りたいこと、不安なことがある場合には、すぐに弁護士へ相談することが大切です。

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第6章 交通事故を相談する時の弁護士の選び方

交通事故を相談するとき、弁護士選びに失敗するとリスクが大きくなります。対応の良くない弁護士に相談や依頼をしてしまったら、かえって不利益を受けてしまうおそれもあるでしょう。
良い弁護士を選ぶため、弁護士相談する際には以下のような視点を持つようおすすめします。

6-1.実績が高い

まずは交通事故関係の実績に注目してください。
事故関係の経験が豊富であれば、知識やノウハウも蓄積しているので効果的な対応ができます。疑問や不安にも明確に応えてくれるでしょう。
HPに実績が掲載されているケースもありますし、弁護士に直接尋ねて教えてもらえるケースもあります。
また交通事故に力を入れている弁護士に相談すべきです。ネットで探すなら、運営サイトに交通事故に関する情報がしっかり載っている弁護士を選びましょう。

6-2.親身になってくれる

相談時に親身になってくれる姿勢も重要です。冷たくされると被害者としては不安になってしまうためです。交通事故被害者の状況をしっかり理解してくれて親身になりつつもしっかり対応してくれる弁護士を選びましょう。

6-3.コミュニケーションをとりやすい

コミュニケーションをとりやすいことも良い弁護士の条件です。
電話やメール、LINEなどですぐに連絡をとれるなら、依頼していても安心です。
依頼前にどういった手段で連絡を取れるのか、レスが早いか遅いかなどを見極めましょう。

6-4.相性が良い、信頼できると感じられる

弁護士と面談したときの印象も重要です。
弁護士と依頼者は人と人とのかかわりなので、どうしても相性があるためです。
話してみたときに「信頼できる」「感じが良い」「なんでも話しやすい」と感じられる弁護士へ依頼しましょう。

6-5.フットワークが軽い

交通事故対応では、フットワークの軽さも要求されます。
たとえば事故現場へ行ってもらいたい場合もありますし、後遺障害等級認定の被害者請求で自賠責の調査事務所や病院へ行ってもらわねばならない場面もあるでしょう。そういったとき、すぐに動いてくれる弁護士であれば事件処理がどんどん進みやすく、安心して任せられます。

6-6.アクセスが良い

弁護士にアクセスしやすいことも大切です。
弁護士に依頼していると、どうしても事務所に行かねばならない機会が多くなるためです。
たとえば事務所の場所が駅から近い、自宅や会社の近くにある、土日祝でも相談できる、夜間相談を受け付けている、オンライン相談に対応しているなど、相談環境のととのっている弁護士を選びましょう。

第7章 まとめ

横浜クレヨン法律事務所では交通事故案件に非常に力を入れて取り組んでいます。

無料相談や弁護士費用特約にも応じていますので、ご相談料についても心配なさる必要はありません。親身になって対応いたしますので、まずは一度、お気軽にご相談ください。