せっかく交通事故の示談交渉を依頼しても、弁護士選びに失敗すると後悔してしまうものです。
実際には多くの方が満足されますが、中には「依頼しなければよかった」と考えてしまう方もいるので、交通事故の弁護士選びは大変重要です。
とはいえ後悔しないためにどういった点に注意をすれば良いのか、迷ってしまう方もいるでしょう。
今回は交通事故で弁護士に依頼して後悔するパターンや後悔しないための9つのポイント、弁護士を変更する方法などお伝えします。
弁護士の対応に満足できずお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
1章 交通事故を弁護士に相談して後悔するケースやよくあるパターン
交通事故の示談交渉や後遺障害認定を弁護士に依頼すると、以下のようなパターンで後悔するケースが多々あります。
1-1.費用が高くて後悔するケース
1つ目は費用の問題です。
多くの方は、示談金を増額して手元に多くのお金を残すために弁護士に依頼するでしょう。
それにもかかわらず弁護士費用が高額になったり、思ったほど示談金を受け取れなかったりすると、期待外れとなります。ときには弁護士費用が手取り額を超えてしまい費用倒れになるリスクも発生します。
費用についてはシビアになるべきです。弁護士費用の分足が出るようなリスクは避けなければなりません。
1-2.弁護士が頼りなくて後悔するケース
依頼した弁護士が交通事故について詳しくないために後悔するケースもよくあります。
不慣れな印象を受け、頼りなく感じるパターンです。
交通事故を依頼するなら、できるだけ交通事故案件に手慣れた人を選びましょう。
1-3.弁護士がどちらの味方かわからなくて後悔するケース
示談交渉などの際、弁護士が相手方の肩を持っているような気がしてストレスを感じるパターンもあります。
こちらが依頼して費用も払っているのに加害者側の味方をされているような気がすると大変なストレスですし、後悔してしまうでしょう。
1-4.結果に満足できず後悔するケース
多くの方が弁護士に交通事故を依頼するのは、できるだけ有利な内容で解決したいからです。たとえば「示談金は○○円以上にしてほしい」「過失割合は○割以下にしてほしい」「後遺症が残ったので後遺障害等級認定を受けたい、できれば○級以上を狙いたい」などいろいろな希望があるでしょう。
もちろん相手方のあることなので、依頼者の希望が100%叶うとは限りません。ただあまりに希望や事前の説明とかけ離れた解決方法となってしまったら、多くの方が後悔してしまうものです。
1-5.説明がわかりにくく後悔するケース
弁護士が専門用語を使って簡潔にしか説明してくれないと、依頼者としては弁護士が何をいっているのかわからないケースがあります。
もともと話し下手で説明がわかりにくい弁護士もいるでしょう。
説明がわかりにくい弁護士に依頼すると、事件の進行方法などについても認識を一致させにくく、依頼者が不安を懐いてしまうものです。
1-6.コミュニケーションをとりにくく後悔するケース
弁護士とのコミュニケーションをとりにくくて後悔する方もおられます。
たとえば以下のようなパターンがよくあります。
- 遠方すぎる弁護士に依頼したために事務所へ行くのに手間や交通費がかかってしまう
- 弁護士に連絡を入れても電話がつながらず折り返しの連絡をもらえない
- メールを送っても返信がない、遅い
- オンライン会議やLINEを使いたいけれど弁護士が対応していない
弁護士に依頼する際にはコミュニケーションツールを利用しているかどうかやスムーズに返事をもらえるか、つながりやすいかなどもチェックするのが良いでしょう。
1-7.いつまでも着手してもらえず後悔するケース
弁護士に依頼したら、できるだけ早めに動いてもらってスピーディな解決を目指したいものです。
しかし中には事件を後回しにされていつまでも着手してもらえないケースもあります。着手後も相手への返答が遅く、遅々として事件処理が進まないケースも考えられます。
事件進行が遅い弁護士に依頼すると後悔してしまう可能性が高くなるでしょう。
1-8.弁護士と相性が合わなくて後悔するケース
弁護士が交通事故に長けていて優秀でも、依頼者がストレスを抱えてしまうパターンがあります。それは弁護士と相性が合わないケースです。
交通事故の事件処理を依頼すると、3か月、半年、ときには1年以上の付き合いとなります。
その間、相性の合わない人とやり取りを続けるのは大変なストレスとなるでしょう。信頼感を持つのも難しくなってしまいます。
交通事故の弁護士選びをするときには、弁護士との相性も重視すべきです。話していて「信頼できる」「この人であれば事件を任せても安心」と感じられる人に依頼しましょう。
2章 交通事故を弁護士に依頼して後悔しないために大事な対策9つ
交通事故を弁護士に依頼するとき、以下の9つの対策をしていれば後悔するリスクを大きく下げられます。
2-1.事前に見積もりを出してもらう
まずは費用の点におけるリスク管理方法です。
依頼前に必ず費用体系についての説明を受けて、見積もりも出してもらいましょう。
そうすれば費用倒れを防げますし、予想外に費用がかかって手取り額が低くなってしまう危険も避けやすくなります。
また弁護士の費用は事務所によっても異なります。複数の弁護士事務所の費用を比較して、もっともリーズナブルな法律事務所を選んだら費用的なリスクは大きく軽減されます。
2-2.弁護士に依頼しない方が良いケースを把握する
交通事故に遭ったとき、すべての案件で弁護士に依頼するメリットがあるとは限りません。
中にはどうしても弁護士に依頼すると足が出やすいケース、ほとんど利益が出ないケースなどもあります。
たとえば以下のような場合、弁護士に依頼すると費用の方が高くなる可能性があります。
物損事故のケース
物損事故に遭い、車に10~20万円前後の修理費用がかかっただけのケースでは、弁護士に依頼するのをおすすめしません。
弁護士費用だけで10~20万円程度かかり、損をしてしまう可能性があるからです。
それであれば自分で示談交渉したほうが有益です。
ただし高級車や外車などで評価損を請求したい場合や高額な修理費用がかかる場合などには、物損事故でも依頼するメリットが生じる可能性があります。
軽傷のケース
人身事故でも擦り傷などの軽傷の場合、弁護士に依頼するのをおすすめできません。
通院期間が短いと、弁護士に依頼しても慰謝料などの示談金があまり増額されないからです。弁護士には、最低限半年くらいは通院するケースで依頼するのが良いでしょう。
ただし弁護士費用特約を利用できるなら被害者に持ち出しはないので、費用のことを気にせずに依頼できます。
相手が保険に入っていないケース
相手が無保険(任意保険に入っていない)のケースでも弁護士に依頼すると費用倒れになってしまう可能性があります。
保険に入っていないと、自賠責保険の限度額を超える部分は相手本人が負担しなければなりません。相手に資力がないと、訴訟を起こしても取り立てができない可能性が高くなるのです。そうなったら弁護士費用の分、損をしてしまうでしょう。
もちろん相手が払ってくれる場合や取り立てる財産を持っている場合などには問題になりません。依頼前に相手の仕事や資産状況などを把握して、回収できそうなら弁護士に依頼すると良いでしょう。
被害者の過失割合が高いケース
被害者の過失割合が高いと大きく過失相殺されるので、相手に請求できる金額が減ってしまいます。損害額がそれなりに大きくても示談金があまり増額されず、弁護士に依頼するメリットが小さくなるパターンです。
あまりに過失割合が高いと保険会社から示談を断られるケースもあります。
弁護士に依頼する前に、過失割合がどの程度になりそうかも検討すべきといえるでしょう。
2-3.費用倒れにならないかシミュレーションする
後悔しないためには事前に費用倒れになる可能性がないか、シミュレーションすることも重要です。
弁護士から出してもらった見積もりを見て、どういったケースで費用倒れになる可能性があるのか、あるいはまったくないのかなど検討してみてください。
わからないときには弁護士に聞いてみると教えてもらえるでしょう。
2-4.弁護士費用特約を利用する
費用倒れになるリスクを抑える方法として有効なのが「弁護士費用特約」です。これは、保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約です。
適用できれば被害者が弁護士費用を負担しなくても良いので、小さな物損事故や軽傷のケース、過失割合が高いケースや相手が本人のケースなどでも費用倒れの問題が発生しません。
ところが実際には弁護士費用特約を使えるのに利用しない方がおられて後悔してしまいます。交通事故に遭ったら保険の内容をよく確かめて、弁護士費用特約を利用できるなら忘れずに適用を申請しましょう。
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2-5.連絡を取りやすい弁護士を選ぶ
弁護士選びで後悔するパターンとして、連絡をとりにくいといったケースもよくあります。
このパターンを避けるには、当初から連絡をとりやすい弁護士を選ぶことです。
たとえば以下のような弁護士を選ぶと後悔しにくくなるでしょう。
- 電話がつながりやすい、すぐに折り返してくれる
- メールの返信が早い
- なるべく自宅や職場の近くの弁護士に依頼する
- 土日祝や夜間相談など柔軟に対応してもらえる
- 専門用語を使いすぎずわかりやすく説明してくれる
- オンライン会議やLINEに対応している
依頼前に、上記のようなチェックをしてみてください。
2-6.解決方法について認識を一致させる
交通事故を弁護士に依頼して後悔するパターンで多いのが、結果に満足できないケースです。
そういった危険を減らすには、依頼している最中から弁護士と密に連絡をとり、目指すべき解決方法について認識を一致させておくことです。
普段から「こういった解決方法にしてほしい」と伝えていれば、弁護士が勝手にそれと異なる解決をしてしまうリスクを低減できるでしょう。
ただし依頼者が希望しても、必ずそのとおりになるとは限りません。法律上、できることとできないことがあるためです。弁護士から「それは無理です」といわれたら、なぜ無理なのかきちんと説明を受け、本当に無理なことはあきらめる姿勢も重要です。
2-7.交通事故の実績の高い弁護士を選ぶ
交通事故で不慣れな人や経験の浅い人に依頼すると、依頼者が頼りなく感じてストレスを受けてしまうものです。
このリスクを避けるには、なるべく実績の高い弁護士を選ぶことが大切です。
実績は、「相談実績」より「解決実績」を重視しましょう。
また交通事故の実績が高い必要があります。交通事故以外の解決実績が高くてもあまり意味がありません。
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2-8.弁護士との相性を確かめる
弁護士に相談したとき、しっかり話をして相性を確かめることも重要です。
信頼できる、安心感があると思える弁護士に依頼しましょう。
2-9.紹介された弁護士にすぐに依頼しない
弁護士を探す方法として、「知人や友人からの紹介」に頼る方が少なくありません。
確かに知っている人から紹介されたら、なんとなく安心感があるでしょう。
しかし紹介された弁護士が必ずしも良い弁護士とは限りません。交通事故案件をあまり処理していていない弁護士かもしれませんし、費用が高い可能性もあります。相性が合わないケースもあるでしょう。
紹介された弁護士にはすぐに依頼せず、費用や相性の点などしっかり確かめるのが得策です。
3章 無料法律相談を活用して後悔を避ける方法
交通事故に遭ったとき、無料法律相談をうまく活用すると後悔を避けやすくなるのでぜひ活用しましょう。
3-1.無料相談で弁護士との相性を確かめる
無料相談を利用すると、弁護士との相性を見定めやすくなります。費用のことを気にせず気軽の相談できて、しっかり弁護士と話し合えるからです。
後悔しないために、積極的に法律事務所の無料相談を活用しましょう。
3-2.数軒の法律事務所を訪ねてみるのがおすすめ
一軒の法律事務所で無料相談を受けただけでは本当にその弁護士との相性が良いかがわかりません。
数軒の法律事務所で無料相談を受けて比較してみましょう。
オンライン相談やLINE、電話相談などを利用すれば手間も時間もかけずに済みます。
4章 後悔しないためには弁護士の選び方が大事
せっかく交通事故の対応を依頼するのですから、後悔はしたくないものです。
そのために最重要なのが「弁護士の選び方」です。
基本は「後悔しないための9つのポイント」の項目でも説明したとおりですが、以下のような視点が重要なので、依頼前にしっかり見極めましょう。
- 交通事故に積極的に取り組んでいるか
- 信頼できるか、誠実に対応してもらえるか
- コミュニケーションをとりやすいか
- 費用が高すぎないか
5章 交通事故の対応が良くない弁護士を変更する方法
交通事故であまりに弁護士の対応が良くない場合、変更した方が良いケースも考えられます。事件の進行中であっても弁護士の変更は可能です。
その場合、以下のような手順で変更手続きを進めましょう。
STEP1 新しい弁護士を探す
まずは交通事故を依頼したい新しい弁護士を探しましょう。
先に前の弁護士を解任してしまったら、一時的に弁護士が不在になってしまいます。
解任より先に新しい弁護士を確定させるべきです。
交通事故に積極的に取り組んでいて費用もリーズナブルで相性の良い弁護士が理想です。
STEP2 着手金を払う
次に、新しい弁護士へ着手金を支払いましょう。
着手金を払わないと、通常の弁護士は業務を開始してくれません。
ただし弁護士費用特約を利用できる場合、依頼者が弁護士へ着手金を払う必要はありません。また着手金無料の弁護士事務所を利用する場合にも当初費用がかからない可能性があります。
STEP3 今の弁護士を解任する
新しい弁護士への依頼が完了したら、前の弁護士を解任しましょう。
このとき、前の弁護士への不満をつらつらと伝えるのはおすすめしません。
前の弁護士にとっても良い気分になりませんし、前の弁護士には新しい弁護士との引き継ぎにも協力してもらわねばならないからです。
たとえ対応に不満があったとしても、できるだけお互いに気持ちよく契約関係を解消したいものです。
ただしどうしても連絡がつかない場合などには、内容証明郵便などで解任通知書を送らねばならないケースもあります。前の弁護士を解任する方法について迷ったときには、新しい弁護士に相談してみるのも良いでしょう。
STEP4 引き継ぎをしてもらう
前の弁護士が解任を承諾したら、新しい弁護士との間で引き継ぎをしてもらう必要があります。新しい弁護士の連絡先を伝え、事件の記録一式を送ってもらいましょう。
多くの場合、弁護士同士で遣り取りをするので依頼者が自分で引き継ぎする必要はありません。ただ前の弁護士との関係が悪化した場合や前の弁護士と連絡を取れない場合などには、依頼者自身が引き継がねばならないケースも考えられます。
対応に困ったとときには、新しい弁護士から前の弁護士へ連絡を入れてもらうとスムーズに進むケースもあるので新しい弁護士に対処方法を相談してみましょう。
6章目 まとめ
横浜クレヨン法律事務所では交通事故案件似積極的に取り組んでおり、これまで慰謝料を含めた賠償金を大幅に増額させた事例も多数あります。交通事故の対応については万全の体制を整えていますので、弁護士選びで後悔したくない方、セカンドオピニオンを聞きたい方、弁護士を変更したい方などお気軽にご相談ください。