交通事故に遭ったとき、無料で相談できる場所があると安心できるものです。
ただ無料相談だけでは不十分になるケースも多いので、無料相談で解決できることとできないことの区別を知っておきましょう。

今回は交通事故の無料相談ができる場所やサポート内容、交通事故の相談ができる専門家の探し方を解説します。

事故に遭われてお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

第1章    交通事故の無料相談サポートの種類や特徴

事故に遭うと、さまざまな悩みを抱えるものです。

  • 示談交渉はいつ頃始まるの?
  • 保険会社の担当者の態度が気に入らない、コミュニケーションを取りにくい
  • 保険会社から提示された示談金額が妥当かわからない
  • 治療はいつまで続ければ良いの?
  • 後遺障害認定の結果に納得できない

自分ひとりで抱え込んでいても解決できませんし、ストレスも溜まってしまうでしょう
かといって、いきなり有料で相談しようという気持ちになれない方も多数いらっしゃいます。
そんなとき、役に立つのが無料相談です。交通事故の悩みを無料で相談できてサポートを受けられる機関や専門家はいくつかあるので、上手に利用しましょう。
たとえば以下のような場所では事故の無料相談ができます。

1-1.交通事故紛争処理センター

裁判外の紛争解決機関(ADR)で、交通事故を専門的に取り扱っています。
相談すると、アドバイスを受けられるだけではなく「和解のあっ旋」や「審査」のサポートも受けられます。
和解あっ旋とは、センターが間に入って話し合いを進めてくれる手続きです。
審査はセンターが一定の解決方法を示してくれる手続きです。相手の保険会社は審査の結果に拘束されるので、被害者さえ納得できれば最終解決できます。

1-2.日弁連交通事故相談センター

紛争処理センターと同様「裁判外の紛争解決機関」で、日本弁護士連合会が設立・運営しています。相談を担当してくれるのは交通事故に詳しい各地の弁護士です。
専門的なアドバイスを受けられるだけではなく示談のあっ旋や審査のサポートも受けられます。相手が共済組合の場合、多くは審査の結果に拘束されるので被害者さえ納得できれば最終解決できます。

1-3.自治体の交通事故相談所

都道府県や政令指定都市、市町村などの自治体で交通事故の相談所がもうけられているケースがよくあります。
そういった場所では無料で相談できるので、ぜひ利用してみましょう。。

1-4.自賠責・共済紛争処理機構

自賠責や共済と交通事故当事者との間の紛争を解決するための裁判外の紛争処理機関です。
たとえば以下のようなケースで利用できます。

  • 後遺障害認定の結果に納得できない
  • 自賠責が仮渡金を払ってくれない
  • 被害者請求を受け付けてもらえない
  • その他自賠責保険や共済に対する苦情

自賠責との紛争解決に特化しているので、加害者本人や任意保険会社との紛争については相談できません。

1-5.そんぽADRセンター

損害保険会社とのトラブルを解決するための指定紛争解決機関です。
相談すると、センターが相手先の保険会社へ連絡を入れて事情を確認します。
結果として相手保険会社の対応が改善されるケースも少なくありません。
保険会社への苦情はそんぽADRセンターへ申し入れると効果的といえるでしょう。

1-6.個別の弁護士事務所

全国の個別の弁護士事務所でも、交通事故の無料相談を受け付けているところが多数あります。
ただしすべての法律事務所ではありません。相談を申し込む前に、無料相談を受けてくれるか確認しましょう。また無料となる範囲も各法律事務所によって異なります。
初回のみ無料、30分無料、何度でも無料など条件が異なるので、事前に聞いておきましょう。

弁護士費用特約を使えば多くの弁護士事務所が無料になる

無料相談を実施していない弁護士事務所では、基本的に相談費用が有料となります。
ただ「弁護士費用特約」を適用すると、より多くの弁護士事務所で無料相談を受けられます。保険会社が弁護士の相談料を負担してくれるからです。
弁護士費用特約は任意保険についているので、まずは自分や家族の入っている保険に弁護士費用特約がついているか調べてみましょう。

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第2章 交通事故の相談ができる専門家を探すには?

交通事故の無料相談では、どういった人が対応してくれるかも場所によって異なります。
できれば弁護士が対応してくれる方が安心です。弁護士であれば法律知識が正確ですし、いざというときに保険会社との示談交渉も依頼できるからです。

上記でご紹介した中で確実に弁護士が対応してくれるのは以下のような機関です。

  • 交通事故紛争処理センター
  • 日弁連交通事故相談センター
  • 個別の弁護士事務所

上記以外の相談場所の場合、弁護士が対応するとは限りません。
より具体的なアドバイスを受けたいなら、上記の3つから選ぶのが良いでしょう。

また交通事故の相談をするとき、弁護士であれば誰でもよいわけではありません。弁護士だからといって全員が交通事故を得意とするわけではないためです。弁護士との相性も考えるべきです。

以下で交通事故の相談ができる専門家を探すにはどのような方法がおすすめか、みてみましょう。

2-1.個別の弁護士事務所を利用する

弁護士に相談できる場所はいくつかありますが、自分に合った弁護士を探したいなら個別の弁護士事務所を利用するのがおすすめです。
交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなどでは、担当する弁護士を選べません。またこれらのセンターで担当してくれる弁護士は「あくまで中立的」な立場であり、「被害者の味方」ではありません。

自分の立場に立ってくれて相性も良い弁護士を探したいなら、個別の弁護士事務所の弁護士から気に入った人を選ぶのがもっとも確実です。

2-2.実績の高い弁護士を選ぶ

個別の法律事務所の無料相談を利用するとしても、どういった事務所を選べばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
まずは交通事故の解決実績が高い弁護士を選ぶようおすすめします。
実績が高い弁護士は、通常交通事故に力を入れていて知識もノウハウも蓄積していると考えられるからです。交通事故に熱心に取り組んでいて経験豊富な弁護士であれば、何を相談してもスッキリ応えてくれるでしょうし、納得のいく解決を実現してくれやすいでしょう。

HPにこれまでの実績が載っているケースも多いので、参考にしてみてください。

2-3.話しやすい、相性の良い弁護士を選ぶ

次に、継続相談をしたり実際に示談交渉を依頼したりする場合の弁護士の選び方をご説明します。
継続的に依頼したいなら、自分と相性の良い弁護士を選ぶべきです。相性の会わない人に依頼してしまうと、コミュニケーションをとりづらくなったりストレスが溜まったりしてしまうからです。相談してみたときに、話しやすく「この人なら信頼できる」と感じられる弁護士に依頼しましょう。

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第3章 無料相談できる内容とできない内容

無料相談では解決できる内容とできない内容があります。
対応してもらえる範囲は担当者が弁護士かどうかによっても違います。
以下では弁護士以外でも相談できることや弁護士に相談できること、相談だけでは対応できないことの区別について、お伝えします。

3-1.弁護士以外でも相談できることの例

  • 自賠責保険・共済紛争処理機構へ自賠責の決定や対応についての相談をする
  • そんぽADRセンターへ任意保険会社の対応について相談する
  • 交通事故相談所で一般的な交通事故の流れや解決方法、適切な相談場所や対処方法について相談する

3-2.弁護士に相談するのが望ましいことの例

以下のような内容は弁護士に相談するのが望ましいといえます。

  • 保険会社の提示した過失割合が適正か知りたい、そもそも適正な過失割合を知りたい
  • 保険会社の提示した示談金が適正か知りたい、そもそも適正な示談金額や慰謝料額について知りたい
  • 保険会社とトラブルになっているので解決方法を知りたい
  • 後遺障害認定の結果が適切かどうか知りたい
  • 示談が決裂しそうなので対応方法を知りたい

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3-3.相談だけでは対応できないことの例

以下のようなことは相談だけでは対応できません。
まずは弁護士に相談をしてから具体的な対応を依頼する必要があります。

  • 示談が決裂した、裁判しなければならない
  • 保険会社との示談交渉を依頼したい
  • 後遺障害認定や異議申立てを依頼したい

ただ、何らかの手続を依頼するにもまずは相談しなければならないので、信頼できそうな弁護士事務所を見繕って無料相談してみるのがよいでしょう。

第4章 無料相談する方法とは?

交通事故の無料相談を利用したい場合の流れをご説明します。

STEP1 相談場所を選ぶ

まずはどこの相談場所で無料相談を受けるか検討しましょう。
各相談場所によって担当してくれる人や対応してもらえる内容が異なります。今の状況に適した相談場所を選ぶべきです。
上記でご紹介した各相談場所の特徴をみて、現状改善に役立ちそうな無料相談場所を選定してみてください。

STEP2 問い合わせをする

相談場所を決めたら、問い合わせをしましょう。
たとえば弁護士事務所であれば、電話やメールで問い合わせを受け付けているケースが多数です。気軽にLINE相談できる弁護士事務所もあります。
横浜クレヨン法律事務所でもLINE無料相談を受け付けているので、お困りの際にはお気軽にご利用ください。

STEP3 日時を決める

電話やメール、LINEだけでは解決できない場合やそういった相談方法がない場合、相談先へ出向いて担当者と面談で相談を受ける必要があります。オンライン相談でも、日時を決めなければなりません。
担当者と話をして、無料相談を受けるための日程調整をしましょう。

STEP4 当日、訪問して相談を受ける

相談日や時間が決まったら、当日先方へうかがって相談を受けましょう。
オンライン相談であれば自宅にいたまま対面での相談も可能です。

第5章 無料相談するメリット

無料相談を受けると以下のようなメリットがあります。

5-1.交通事故についての疑問が解消される

交通事故に遭うと、さまざまな疑問や不安を抱くものです。
この先どのような流れで解決できるのか、示談金額はいくらになるのか、保険会社の言っていることは正しいのか、など。
無料相談で専門家に相談すると、こういった疑問の多くが解消されるので安心できるメリットがあります。

5-2.適切な行動をとれるようになる

交通事故で有利に解決するには、事故当初から適切な行動をとる必要があります。
ただ自己判断では間違った対応をしてしまい、後に不利益を受けてしまう方が少なくありません。
迷ったときに無料相談を受けて専門家のアドバイスを受けておくと、後に不利益を受けるリスクが大きく低下します。
適切な行動をとれるようになるのも無料相談のメリットといえるでしょう。

5-3.保険会社の対応が変わって解決できるケースもある

そんぽADRセンターなどの機関に相談すると、センターが任意保険会社へ連絡を取り次いでくれて任意保険会社の対応が変わるケースもよくあります。
自分ひとりでは解決できなかった案件でも、センターへ無料相談したことで解決につながる場合があるのはメリットといえるでしょう。

5-4.審査を利用できるケースもある

交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターの審査を受けると、自分たちで話し合っても解決できない事案で解決の指針を得られます。
相手方の保険会社や共済はセンターの決定に拘束されるので、自分さえ納得できれば事故のトラブルを最終解決できるメリットを受けられます。

5-5.示談交渉などを依頼して手間や時間を節約できる

弁護士に示談交渉や後遺障害認定、訴訟などの手続きを依頼すると、自分で対応する必要がありません。手間や時間を節約できるメリットがあるといえます。

5-6.弁護士に依頼すると賠償金額が上がる

弁護士に示談交渉を依頼すると、賠償金額が大きく増額される可能性があります。
弁護士が示談するときには、高額な「弁護士基準(裁判所基準)」で損害賠償金が計算されるためです。
今の保険会社からの提示額に納得できない方にとっては大きなメリットといえるでしょう。

5-7.ストレスが軽減される

自分で保険会社との示談交渉に対応するのは大変なストレスになるものです。弁護士に相談して依頼してしまえば、自分が対応する必要がありません。
ストレスを軽減できるメリットがあります。

第6章 まとめ

横浜クレヨン法律事務所では交通事故に力を入れており、LINEを始めとした各種の無料相談に対応しています。
親身な対応を心がけており、示談交渉や訴訟などのご依頼も積極的にお受け致します。事故に遭われてお悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。