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弁護士 鈴木 晶

一般の方々に、わかりやすく法律の知識をお届けしております。
難しい法律用語を、法律を知らない人でも分かるような記事の作成を心がけています。
交通事故に関する様々な悩みを持つ方々のために、当ホームページは有益な情報を提供いたします。

交通事故で顔に傷(醜状)ができた場合の裁判事例・後遺障害慰謝料の目安・逸失利益・慰謝料の請求方法など網羅的に解説します。

「交通事故で顔に手のひらぐらいの大きさの傷が残ったけど、弁護士に依頼するとどれくらい賠償金がもらえるの?」

「交通事故で顔に傷ができた場合の後遺障害慰謝料の目安を知りたい。」

「友人が交通事故で顔を負傷して困っているのだけど、何か有益な情報はないかな…」

横浜クレヨン法律事務所ではこういった悩みや疑問についての相談が、頻繁に寄せられています。
本記事では交通事故で顔を負傷して傷が残ってしまった方向けにこれらを解説します。

この記事でわかること

  • 弁護士に依頼した場合の賠償金額や裁判事例
  • 適切な賠償額を獲得するために必要な手続き
  • これだけは絶対に知らないと大損する必須ポイント

交通事故後に弁護士相談を受けようか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

交通事故による顔関連の傷(醜状:しゅうじょう)による裁判事例と慰謝料額

交通事故による後遺障害等級と後遺障害慰謝料の関係は以下の図表の通りです。

その中で、顔の傷(醜状:しゅうじょう)に対応する後遺障害等級は図表赤文字のこれらになります。(男女間による賠償額の差異はありません。)

  • 後遺障害7級12号:外貌に著しい醜状を残すもの
  • 後遺障害9級16号:外貌に相当程度の醜状を残すもの
  • 後遺障害12級14号:外貌に醜状を残すもの

以下、それぞれ裁判事例とともに解説します。

後遺障害7級12号:外貌に著しい醜状を残すもの

後遺障害7級12号:外貌に著しい醜状を残すものの定義は以下の通りです。

次のいずれかに該当する場合で、人目につく程度以上のもの

  • 頭部にあっては、てのひら大(指の部分は含まない)以上の瘢痕又は頭蓋骨のてのひら大以上の欠損
  • 顔面部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没
  • 頸部にあっては、てのひら大以上の瘢痕

ケースバイケースにもなりますが、弁護士に依頼することで1,000万円程度の慰謝料を得ることができる場合があります。

後遺障害等級7級の裁判事例

31歳女性の寿司職人の交通事故です。
右顔面の変形・醜形の外貌醜状により、自賠責後遺障害等級7級が認定されました。

裁判所は、各後遺障害(外貌醜状、味覚低下、複視、右感音難聴等)は、客と対面して寿司を握る寿司職人としての労働能力に重大な影響を与えることが明らかであるとして、36年間56%の労働能力喪失を認めました(東京地裁平成6年12月27日判決、出典:交通事故民事裁判例集27巻6号1892頁)。

後遺障害9級16号:外貌に相当程度の醜状を残すもの

後遺障害9級16号:【外貌に相当程度の醜状を残すもの】の定義は以下の通りです。

  • 顔面部の長さ5センチメートル以上の線状痕で、人目につく程度以上のもの

ケースバイケースにもなりますが、弁護士に依頼することで690万円程度の慰謝料を得ることができる場合があります。

後遺障害9級の裁判事例

37歳女性の地方公共団体の嘱託職員で兼業主婦の交通事故です。
顔面に長さ5.6センチの線状痕及び1.6センチの線状痕の外貌醜状により自賠責後遺障害等級9級が認定されました。

裁判所は、後遺障害の内容・程度に加え、性別・職種・心理的影響に照らし、29年間25%の労働能力喪失を認めました(神戸地裁平成28年10月26日判決)。

後遺障害12級14号:外貌に醜状を残すもの

後遺障害12級14号:【外貌に醜状を残すもの】の定義は以下の通りです。

次のいずれかに該当する場合で、人目につく程度以上のもの

  • 頭部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
  • 顔面部にあっては、10円銅貨以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕
  • 頸部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕

ケースバイケースにもなりますが、弁護士に依頼することで290万円程度の慰謝料を得ることができる場合があります。

後遺障害12級の裁判事例

2歳の女児の交通事故です。
自賠責後遺障害等級は、顔面の外貌醜状で12級14号が認定されました。

裁判所は、顔面の傷痕は今後改善される可能性もあるものの現時点での予想としては、今後も大差ない状態で残る蓋然性が高いと認めた上で、これにより女性である原告が将来就業する際に不利な要因として働き就職の機会の困難さを招く高度の蓋然性が認められ、この不利益は、就職、転職を問わず就業機会及びより多くの収入を得る機会を事実上制約する不利益な要素として、労働可能な限り存続すると予想される労働能力の一部喪失と評価されるべきものであるとして、18歳から67歳まで14%の労働能力喪失を認めました(福井地裁敦賀支部平成14年5月17日判決、交通事故民事裁判例集35巻3号686頁)。

交通事故の被害者が大損しないために最初に知っておくべき基礎知識の解説動画

【交通事故】慰謝料はいくら?症状別と通院期間別の慰謝料相場を解説(1.75倍速再生がおすすめ)

動画内容

  • 症状別と通院期間別の慰謝料相場
  • 慰謝料は被害者の受傷状況によって大きく異なる
  • 慰謝料の3つの計算基準の違い(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準)
  • 症状別・通院期間別の慰謝料相場と事例紹介
  • むち打ちの慰謝料相場
  • 骨折の慰謝料相場
  • 高次脳機能障害の慰謝料相場
  • 死亡時の慰謝料相場
  • 弁護士に示談交渉を依頼するメリット
  • 弁護士費用特約
  • 示談の相談は横浜クレヨン法律事務所まで

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の注意点

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の注意点にはこれらがあります。

  • 症状固定前に自己判断で美容整形をしない(慰謝料減額の可能性あり)
  • 後遺障害等級認定の手続きを自己判断で行わない(大損する可能性あり)
  • 逸失利益の請求を否認されたら慰謝料増額を請求する(両方請求可)

以下、それぞれ解説します。

症状固定前に自己判断で美容整形をしない(慰謝料減額の可能性あり)

症状固定(傷が治ってから6ヶ月経過で固定になるケースが多い)前に自費で美容整形等を行い、顔の傷を小さく目立たなくすると、もらえる慰謝料を大きく減額されるリスクが高くなります。(症状固定時の状況をもとに交渉するため)

事故直後の顔の傷が時間経過や何らかの要因により数センチ・数ミリ単位でも小さくなると、もらえる慰謝料が1051万円もしくは616万円→224万円、2.9センチ以下になったら0円にもなりえます。

交通事故による顔の傷の治療タイミングの相談などは以下のLINEから気兼ねなくご相談くださいませ。

後遺障害等級認定や示談などの手続きを自己判断で行わない(大損する可能性あり)

動画でも解説しましたが、交通事故の慰謝料や休業損害などの計算方法には以下の3通りがあります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準

この中でもっとも高額になるのが弁護士基準です。

弁護士に示談交渉を依頼すると高額な弁護士基準で計算してもらえるので、賠償金額が大きくアップする可能性があります。

ただし被害者が自分で示談交渉をする場合は、弁護士基準は適用されません。

低額な任意保険基準で計算されるので、賠償金が低くなってしまいます。

また、弁護士に後遺障害認定の手続きを依頼したら、適切な等級の後遺障害等級認定を受けやすくなり、高額な後遺障害慰謝料や逸失利益を払ってもらいやすくなるメリットがあります。

なぜなら、弁護士が適正な検査結果を医師から入手したり、医師とコミュニケーションをとって意見書を取り寄せたりして、効果的に手続きを進めてもらえるからです。

なお、被害者が1人で後遺障害等級認定の手続きを進めても、思うように認定を受けられないケースが多々あるので注意です。(医師・看護師が交通事故の書類手続きに不慣れなケースがある)

詳しくは以下の記事で解説してありますのでご参照ください。

逸失利益の請求を否認されたら慰謝料増額を請求する(両方請求可)

交通事故で後遺障害が残ると、それまでと同じようには働けなくなります

生涯収入が減少すると考えられるので、その減収分を逸失利益として請求できます。

ただし後遺障害の内容によっては逸失利益が否定されたり減額されたりするケースもあります。

例えばこれらが残った場合、仕事に支障が出ていないとして逸失利益が否定される事例が少なくありません。

  • 味覚障害
  • 嗅覚障害
  • 痛みなどをともなわない骨の変形障害
  • 外貌醜状(顔や首、頭などに残った傷跡)

しかし、このように逸失利益が否定されたり減額されたりすると、その分慰謝料を増額してもらえる可能性があります。

なぜなら、慰謝料には逸失利益の「調整機能」があるからです。

※慰謝料は被害者が受けた精神的損害に対する賠償金です。
事故で被害者に後遺障害が残ると、その人は大きな精神的苦痛を受けます。
よって後遺障害慰謝料を請求できます。

詳しくは以下の記事にて解説してありますのでご参照ください。

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の後遺障害等級認定の申請方法

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の後遺障害等級認定の申請方法には2通りの方法があります。

  • 事前認定:相手の任意保険会社に任せる
  • 被害者請求:弁護士に依頼しない場合は、自身で必要な資料や明細書を手配する

以下、それぞれ解説します。

事前認定:相手の任意保険会社に任せる

事前認定とは、被害者本人ではなく加害者側任意保険会社が申請を行う認定方法です。
この場合、被害者は後遺障害診断書の提出だけでよく、残りの必要書類に関しては任意保険会社に任せることができます。

事前認定のメリット

事前認定のメリットは、手続きが簡単なことです。

医師に後遺障害診断書を依頼して保険会社へ送付すれば、基本的には他にすべき事項はありません。
待っていれば後遺障害等級認定の結果が出ます。

事前認定のデメリット

自主的に後遺障害等級認定の手続きを進められないことです。

相手の保険会社が具体的な手続きを行うので、実際にどういった方法で審査されているのかがまったくわかりません。

被害者が追加的に自分に有利になる資料を提出するのも、難しくなってしまいます。

後遺障害等級認定されるかどうか微妙な事案では、認定されなかったときに不満が残りやすくなるでしょう。

任意保険会社に任せるのが不安だという場合にはこちらの方法を採用せず、次に紹介する被害者請求で弁護士に依頼するとよいでしょう。

被害者請求:弁護士に依頼しない場合は、自身で必要な資料や明細書を手配する

交通事故で後遺障害等級認定を自分で進めたい場合などには、被害者請求を利用しなければなりません。

ただし被害者請求には以下の図表のような多数の書類が必要で、自身で集めたり作成したりするのは非常に大変です。

書類の名称作成者や取得できる場所
支払請求書請求者が作成
請求者の印鑑証明書市区町村役場
交通事故証明書自動車安全運転センター
事故発生状況報告書請求者が作成
診断書医師
診療報酬明細書病院
通院交通費明細書請求者
休業損害証明書(仕事を休んだ場合)勤務先
後遺障害診断書
(後遺障害等級認定真正を行う場合)
医師
死亡診断書または死体検案書
(死亡事故の場合に必要)
医師
省略されていない戸籍謄本
(死亡事故の場合に必要)
市区町村役場

はじめて対応する場合、自分だけではスムーズに明細書や書類を用意できない方も多いでしょう。

そんなときには弁護士に依頼するようおすすめします。
弁護士が慰謝料などの保険金を請求するために必要な明細書や資料を集めたり作成したりするのをサポートしてくれるので、請求手続きが大幅に楽になります。(抜け漏れなく安心)

被害者請求の手続きの流れ

  • 加害者の任意保険会社に被害者請求したいことを伝える
  • 必要書類や明細書を用意する
  • 加害者の自賠責保険会社へ書類や資料、明細書を提出する
  • 加害者の自賠責保険会社が申請内容を確認し、問題なければ被害者へ保険金を支払う

被害者請求については以下の2つの記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください。

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の弁護士に相談するタイミング・手順

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の弁護士に相談するタイミング・手順には以下が挙げられます。

  • 事故直後:弁護士費用特約の契約有無を確認
  • 治療費を打ち切られた
  • 後遺障害認定を受けたい
  • 過失割合に納得できない
  • 示談金の提示があった
  • 保険会社とのやり取りが負担になっている

以下の動画も参考にしてみてください。(1.75倍速再生がおすすめ)

以下の記事にて弁護士活用の必須ポイントを解説してありますのでご参照ください。

横浜クレヨン法律事務所ではLINEメール、電話(045-479-5928)で無料で相談可能です。

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合のよくある質問Q&A:9選

交通事故の弁護士費用の相場はいくらですか?

以下の記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください

交通事故に遭った際にもらえる保険について教えてください。

以下の記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください

印刷できるライプニッツ係数表はありますか?

以下をご参照ください

外貌醜状とは何ですか?

以下の記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください

顔以外の後遺障害について知りたい。

以下の記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください

交通事故で後遺症が残ってしまったときの対応方法を教えてください。

以下の記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください

バイク事故について教えてください。

交通事故の労災保険について教えてください。

以下の記事にて詳しく解説してありますのでご参照ください

線状痕の測り方について教えてください。

線状痕の測り方にはコツが必要です。
正しく計測して適切な後遺障害慰謝料を獲得するには、写真の撮り方・書類の作成の仕方などにも注意点がありますので、気兼ねなくご相談ください。

横浜クレヨン法律事務所ではLINEメール、電話(045-479-5928)で無料で相談可能です。

まとめ

本記事では以下について解説しました。

交通事故の被害者が大損しないために最初に知っておくべき基礎知識の解説動画

交通事故で顔に傷(醜状:しゅうじょう)が生じた場合の弁護士に相談するタイミング・手順

横浜クレヨン法律事務所では年間150件以上の交通事故案件を取り扱い、年間相談件数は400件以上の実績があり、交通事故対応スペシャリストの弁護士が在籍しております。

  • 初回相談・着手金:無料
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  • 弁護士費用特約加入者:実質0円(保険からのお支払いのため)
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簡単な相談からでも大丈夫ですので、ちょっとでもなにかしらの不安を抱えている方はぜひ一度ご相談くださいませ。

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